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海辺の環境保全

2011/07/28 更新

キャップからエコベンチ「海辺を守ろう! 運動」

今夏は、全国規模での節電が推進されるため、室内にいるよりも外に出かけようと考える読者も多いのではないだろうか。夏のレジャースポットとして、真っ先に思い当たるのが海。近年では海水浴だけでなく、夏季オリンピックの正式種目でもあるビーチバレーや、ビーチサッカー、ビーチ相撲など各種スポーツも盛んになってきた。

しかし、日本の海辺は、ごみの散乱やスポーツ環境の整備面など、まったく問題がないとは言いがたい。そうした状況を背景に2004年「日本ビーチ文化振興協会」が設立された。全国の海辺競技の関連団体とのパイプ役を担い、海辺文化振興をサポートすることが設立の目的だ。同協会に環境保全への取り組みや、今後求められる海辺との接し方について伺った。

「その昔、海辺は、漁や遊び、集い、伝統行事の開催など、人々の暮らしの中にしっかりと位置づけられた地域の共有空間でした」(副理事長・吉澤裕子さん)

しかし、経済発展や人口増大に伴い日本の海辺は大きく変容していく。特に戦後を境に海辺の景観は一変した。水災害を防ぐために設置された堤防やテトラポッドなどにより供給される土砂が減少したことで浜はやせ、夏に集中する海水浴利用によってごみは散乱し環境も悪化。それにより海辺で培われた文化も失われ、海辺と人々とのつながりは希薄になっていった。

これに対し、欧米を中心とした各国の海辺は、多くの人々が一年中利用し、憩いの場として活用されている。

「日本で海辺が活性化するのは海水浴客でにぎわう夏だけです。海の家などの施設も期間限定のところが多く、年中ある海辺は少ない。また昨年は猛暑と熱射病も問題になりました。日本の海辺は世界に比べ日影が少ないなど、環境改善が必要です」(同氏)

加えて年々深刻になる温暖化による海辺の浸食や漂着ごみ問題もある。

そうした諸問題に危機感を感じスタートしたのが、「海辺を守ろう!運動」である。同協会と日本ビーチバレー連盟の協働事業。各ビーチスポーツのアスリートがビーチクリーン活動の「ゴミバスター」となり、率先して美化運動に取り組んでいる。

この運動の一つに「エコベンチを増やそうプロジェクト」という活動がある。海辺で最も多く排出されるのはペットボトルだが、そのボトルの部分はリサイクルされても、キャップは一般ごみとして焼却されてしまう。このキャップを集め、エコベンチをつくろうという活動だ。1万3600個のキャップが集まれば、1台のベンチができる。製作されたベンチは地元の小学校や児童館に寄付される。製作にかかる費用を募金で集める「エコワンコイン基金」も実施しており、イベントなどを通じて多くの寄付金が集まっている。それをもとに東京都港区立お台場学園、神奈川県川崎市川崎マリエンに、それぞれ1台ずつベンチが寄贈されている。

環境保全活動をはじめ、スポーツ環境の整備や利用客を迎え入れる体制づくりに力を入れてきた同協会。最近ではビーチスポーツの競技人口も増え、海水浴以外の海辺の利用需要も多様化している。

「これからももっと、ビーチスポーツやビーチライフに親しんでもらい、子どもからお年寄りまで一年を通して人々が集い、ふれあい楽しめる広場として海辺を構築し新しいビーチ文化ができるよう努力していきます」(同氏)

地域の海辺から、一年中笑い声が聞こえる日はそう遠くはなさそうだ。

海辺はもっと身近なもの

今年5月に同協会主催の「第6回ビーチライフinお台場」が実施された。そこでは、一般参加型プログラムとして、ビーチバレーやビーチサッカーなど各種ビーチスポーツが行われ、大勢の家族連れが楽しんだ。

またこの7月には、東京都港区のお台場ビーチでメッセージアート展も開催される。一般公募したイラストや写真などをTシャツにプリントして洗濯物を干すように展示。公募作品のテーマは「大好きなビーチを大切にしてゆこう!」というメッセージ。来場者の投票でグランプリ作品を決める。

「日本人はどうしても、海に行くと?遊ばなきゃ??楽しまなきゃ?という思いが先行してしまいます。でも散歩や読書など特に明確な目標を持たずとも、海辺はもっと気軽に利用できるものです。私たちは、そんなくつろぎの?ビーチライフ?を推進しています。生活の一部として、もっとビーチを有効活用してほしい。各種のイベント開催もそんな思いの表れなのです。特に今夏は、多くの人が海辺で過ごすことで、政府が推進する節電にも貢献できると考えています」(同氏)

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