環境

ECO Revolution

Vol.07 進む外食産業の環境経営 ― 高いエネルギー消費量 外食業界の環境活動を追う

2011/02/24 更新

リサイクル・省エネ・省アイテム 複合活動で成果を

1980年代の右肩上がりの経済成長と消費拡大、1990年代のバブル崩壊とデフレ、2000年代に入って環境や医療、農業問題、食の安心安全などが社会的な問題となり、外食産業の担う役割も変わりつつある。今、環境配慮型の経営を求められる外食産業は、どのような方法で社会の要望に応えているのか。その取り組みを紹介していこう。
 
外食産業には食品リサイクル法によって、2012年までに40%のリサイクル率を達成するよう目標が設定されている。全国に約800店舗を展開する牛丼チェーンの株式会社 松屋フーズでは自社
トラックによる食品廃棄物の回収を実施している。東京都内の店舗からスタートしたこの取り組みは、埼玉県内にも拡大し、現在では392店舗にまで達した。回収した食品廃棄物は、嵐山工場内の専用プラントで圧縮乾燥処理し、肥飼料原料として製造・販売する独自のリサイクル・ループが構築されている。また同社・富士山工場では天然水流を活用した工場内廃棄物の自動搬送と圧縮乾燥機を連携したリサイクル・システムを構築した。これにより工場で排出される廃棄物は、100%リサイクルされる。2008年度はグループ全体で75%のリサイクル率が達成できたという。
 
店舗で使うもの自体を減らす省アイテムの取り組みも各社が注力する分野。
ファストフードチェーンの日本マクドナルド株式会社は全国の約3800店全店で2008年12月か
ら順次、持ち帰り用のポリエチレン製「レジ袋」を廃止した。紙袋の素材も漂白した紙から無漂白のものに改め、環境問題への取り組みをアピールしている。「レジ袋」の廃止に伴い、2009年にはプラスチックを前年比で47.8%削減し、約8468トンの二酸化炭素(CO2)を削減した。
 
店舗運営に欠かせないエネルギーの使い方にも、環境配慮の姿勢は重視される。実は、飲食店の単位面積あたりのエネルギー消費量は、オフィスや病院など他の業務部門の業種に比べ格段に高い。省エネ化の余地が多分に残されているといえるのだ。
 
松屋フーズの広報・IRグループの田中哲次さんは「当社の店舗は、基本的に24時間営業です。よって、いかに生産効率を上げるかがポイントとなります。食洗機にある程度の量をためてから洗うか、少量でも次々に洗うかでは、給湯のエネルギーロスも変わってくる。当社では毎日、電気・ガス・水道の使用量を検針メーターから算出しています。時間帯ごとの使用量の変化などを調査し、効率的な機器の使い方を割り出して省エネにつなげているのです」という。また自らの努力だけでなく、店舗の利用客にも協力を呼び掛け、「トイレの便座は使い終わったら、フタを閉めるように、ポップを貼っている」(同氏)そうだ。
 
松屋フーズでは、古くなった制服などの繊維類も廃棄処分にせず、リサイクルに回す。それらはグループ会社の株式会社エム・エル・エスを介し「ECOモップ」などのリサイクル製品の原料となる。生まれ変わったリサイクル製品は店舗で再利用する流れだ。さらに使い捨て割り箸を原則的に廃止し、洗浄して繰り返し使える合成樹脂の「エコ箸」を導入。これにより年間約1億2000万膳、530トンの割箸が削減できた。ほかにも洗剤容器、食器、厨房機器類など幅広いアイテムでのリユースも進める。
 
リサイクル、省エネ、省アイテム、さらにはリユース。外食産業では、そうした複合的な取り組みにより、環境配慮型の経営を推進させていた。
 

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