環境

ECO Revolution

Vol.09エネルギーの地産地消 ごみを電気にリサイクル

2011/07/27 更新

小中学校へ電力供給中

東日本大震災により政府が主導する原子力を用いたエネルギー政策が根幹から揺らいでいる。再生可能エネルギーのさらなる導入が各方面で検討され、エネルギー構造の分散が必要とされており、編集部でもさまざまな発電のあり方に着目している。

二酸化炭素(CO2)の排出が少なく、環境にやさしいとされる発電方法では、太陽光発電、風力発電、水力発電などがよく話題にのぼる。しかし、今回取り上げる「ごみ発電」は比較的認知度が低い。そこで、このごみ発電について、東京エコサービス株式会社を取材した。

清掃工場では、可燃ごみを焼却するときに発生する熱で蒸気をつくり、その蒸気によってタービンを回し、発電を行っている。火力発電所が化石燃料を燃やして蒸気をつくりタービンを回すのと同じ仕組みだ。違いは熱を得る原料。市中から発生したごみを使うのか、地下に埋まっている化石燃料を掘り起こして使うのかという点だ。

もちろん、ごみは化石燃料ではない。よって法律上も「燃料」とはみなされず、ごみだけで発電を行った場合は、CO2排出係数はゼロと算定される。いわゆる地球にやさしいエネルギーである。地域から発生するごみという資源を、リサイクルしてエネルギーにする。それを地域に還元していけば、地産地消という言葉もあてはまる。

今回取材した東京エコサービス株式会社は、ごみ発電を行う清掃工場の運転管理とそこから発電された電気の効率的な販売を行っている会社。2006年10月に、東京二十三区清掃一部事務組合(東京23区のごみの中間処理を共同で行う特別地方自治体、略称:清掃一組)と、東京ガス株式会社の共同出資により設立された。

東京23区の区長会で清掃一組の抜本的な改革が進められ、その具体的な取り組みとして、清掃工場の適正なアウトソーシングと、電力事業効率化による財政負担の軽減が示された。この具体的取り組みを推進する目的でつくられたのが、東京エコサービスである。東京ガスとの共同出資になったのは、ごみ発電だけで電力が不足する場合に東京ガスが所有する発電所を活用するためだ。

設立当初は、電気の小売りを行うPPS(特定規模電気事業者)にごみ発電の電気を卸していたが、現在では自らPPSとして経済産業省に届出し、他のPPSへの販売とともに2010年度には23区内の84の小中学校に販売を開始している。それらの学校には発電の由来を伝えるポスターも配り、環境教育にも役立っている。

東京エコサービスでは、ようやくスタートしたPPSとしての電力小売り事業を軌道に乗せていくことで、住民福祉を少しでも支える存在になることを願っている。

今後は、ごみの収集運搬から発電に至るまでの流れが、清掃事業の一つの姿として定着していくだろう。

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