環境

ECO Revolution

Vol.10建築廃材から電気をつく
木質チップ100% 利用のバイオマス発電

2011/10/19 更新

太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーで発電した電力の買い取りを電力会社に義務づける「再生可能エネルギー特別措置法」が成立した。現在ではまだ全発電量の9.2%にとどまる再生可能エネルギー。来年7月の同法施行後はその普及に弾みがつきそうだ。

特別措置法で定めた再生可能エネルギーの中でも安定した発電が可能とされているのがバイオマスによるものである。各種新エネルギーの中でも実用化の柱として期待されている。そのバイオマスで、2006年から稼働を続ける福島県白河市の白河ウッドパワーを取材した。

バイオマス発電所には石炭などほかの化石燃料と混焼するタイプのものも多いが、白河ウッドパワーは100%木質チップが燃料。「燃焼時に出るCO2は樹木の成長過程で光合成により取り込まれたもの」とし、実質的に大気中のCO2を増加させない「カーボンニュートラル」の考えを実践している。

燃料の木質チップは地域で発生する木質資源を原料につくられる。内訳は、建築廃材が65%、造成時の抜根材、枝葉および森林未利用材が35%で、1日平均350トンが燃料となる。年間では約12万トンだ。

木質チップは生産物ではなく、あくまで発生物。木部や樹皮、土の付いた抜根部分が混在しており、天気によって含水量も大きく左右されるため、燃焼量が均一になるよう配合が必要だ。また、燃焼状況に応じて、ボイラーに投入される木質チップの量を調整する仕組みになっており、発電効率の低下を最小限にとどめることができる。太陽光や風力に比べその安定した供給力が魅力である。

設備の中心となる循環流動床ボイラーは木質チップの持つエネルギーにより高い燃焼効率を引き出せる。発電効率は木質専焼発電所としては高水準の約27%。発電出力は1万1500キロワット、一般家庭の電気使用量に換算すると約1万5000世帯分。そのうち2000キロワットを施設稼働用として使用、9500キロワットを電気事業者に卸している。

木質チップの原料となる木質資源は、地元の白河市を中心に半径250キロメートル以内から調達される。そして職員も同様に地元から。全職員24名のうち15名は地域での採用だ。地元の環境保全だけでなく雇用面からも地域に貢献している。

地域の木材を再資源化し、地域の活力を最大限に利用することで、環境への配慮と経済活動の両立を、理想的な形で実現している白河ウッドパワー。無理のない持続可能なビジネス形態といえるだろう。

木から生まれる電気エネルギー。それは地球環境を守りながら、人々の暮らしを支える未来型のエネルギーとなる。

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