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スマートコミュニティ ── 昨年の成果と2011年の展望
2011/01/07 更新次世代エネルギー供給システムとして期待が大きかったスマートグリッドブームがひと段落し、その日本型実現版として、次世代エネルギー・社会システムに注目が集まっている。
この社会システムの構築に向けては、実データ収集とこれらをマネージするシステムの検証が必要となる。そのための試行を産業、住民、自治体など、地域が一体となって実際の「地域」で行い、民生・運輸部門の二酸化炭素(CO2)削減を「見える化」することが欠かせない。さらに既存の電力系統全体とエネルギーマネジメントシステムの相互補完関係(電力の余剰や不足が発生するときの地域側での蓄電や需要側の負荷制御など)の確立も必要とされている。
そこで、経済産業省は、提案のあった20地域の中から、横浜市、豊田市、京都府(けいはんな学研都市)、北九州市の4地域を「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として選定し、2010年9月に国内での次世代エネルギー供給システムの実証実験をスタートさせた。2014年度までの5年間にわたり、別名「スマートコミュニティ」の構築実験を実施するもので、これらは昨年の大きな成果といえよう。
その中に予算規模740億円ともいわれる神奈川県横浜市の大都市・大規模実証型スマートコミュニティがある。CO2削減(2025年までに04年比で30%削減)を目的として、企業が持つ英知を横浜に結集させ、新社会システムを構築し、海外へ展開する。
さらに、経済産業省はスマートグリッドを核にした環境配慮型都市づくりであるスマートコミュニティ構築について2011年以降、中国や東南アジア地域を念頭に置くプロジェクトの開発・展開の可能性も示している。これはインドの4地域で日本企業グループが具体化に向け始動したことを受けた動きだ。
一方、欧州では地中海連合(UfM)が、サウジアラビアからエジプト、モロッコにいたるMENA諸国を含む地中海沿岸地域で、再生可能エネルギーを最大限に生かした大規模エネルギープラントを建設する地中海ソーラープランを2008年7月に発足させている。またドイツが中心となりサハラ砂漠に大規模太陽熱プラントを建設し、2050年までに欧州全域の15%に相当する電力を調達するDESERTEC計画もある。
期待先行だったスマートグリッドが諸地域の特性を生かす次世代エネルギー供給システムとして具体化されつつある。今後の展開が見逃せない。
【横山隆一教授 プロフィール】
1944年生。1973年早稲田大学工学研究科博士課程修了。
工学博士。早稲田大学環境総合研究センター教授。
環境エネルギーシステムの計画・運用・制御に関する研究に従事。IEEJ、IEEE Senior Member、CIGRE会員。
早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 横山隆一研究室
http://www.f.waseda.jp/yokoyama-ryuichi/index.html
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