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電気・エネルギー講座
スマートグリッドによる需要家応答と省エネルギー
2010/10/02 更新 スマートグリッドとは、情報通信技術(ICT)や先端エネルギー技術を駆使した次世代電力網(グリッド)で、現在の電力システムと情報・通信ネットワークを統合するもの。スマートグリッドが電力供給インフラストラクチャー全体の信頼性・効率性、環境性を高める目的を持つことはよく知られている。
このスマートグリッドの導入効果として、現段階で最も期待されているものに、電力需要家に自己の電力消費状況を「見える化」し、自発的に省エネルギー・節電を促す「需要家応答」がある。これは、データ記録および送信も可能な先端的デジタル電力量計測装置(以下、次世代メーター)により、電力需要家(家庭、集合住宅、事務所、工場など)の電力消費状況や電気設備の稼働状況を計測し、これをスマートグリッド内のデータウエアハウス(電力消費情報管理システム)に送り、その集計結果を逆に消費者に送り返す仕組みによって実現される。
これには電力需要家と電力提供側とを結ぶ双方向通信ネットワーク(AMI:先端計量インフラストラクチャー)の完備が不可欠である。次世代メーターにより記録・送信された内容が需要家に提示されることで、電力を自分でどのように消費しているか、標準的な需要家に比べてどの程度なのか、どのような機器使用に最もコストがかかるのか、自己の電力消費が二酸化炭素(CO2)排出など環境にどういう影響を及ぼしているのか、といった情報が入手でき、これが省エネルギー・節電につながる。
さらに、電力系統と情報交換可能なスマート家電やセキュリティシステムなどを結合する家庭内情報網(HANs:HomeArea Networks) が構築できれば、省エネルギーと同時に、需要家自身がこれらのスマート機器を遠隔で操作・管理できるようにもなる。
また、双方向通信ネットワークを通じて需要家は、電力会社やサービスプロバイダからエネルギー使用が最も効率的になるように管理してもらえるDMS(需要側負荷管理)のサービスも受けられるようになる。需要情報として、その時点の電力価格も提示されるので、これを見て、家庭の主婦は、さらに節電に励むことになるだろう。
一方、電力供給側もこうした需要家応答やDMSにより、夏季や昼間の最大負荷が減少されることで、高価なピーク時の発電を削減できる。スマートグリッドは、電力会社と需要家の双方に経済的利益をもたらしていくだろう。
【横山隆一教授 プロフィール】
1944年生。1973年早稲田大学工学研究科博士課程修了。
工学博士。早稲田大学環境総合研究センター教授。
環境エネルギーシステムの計画・運用・制御に関する研究に従事。IEEJ、IEEE Senior Member、CIGRE会員。
早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 横山隆一研究室
http://www.f.waseda.jp/yokoyama-ryuichi/index.html
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