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電気・エネルギー講座
太陽光発電、新たな買い取り制度の光と影
2010/01/20 更新総合資源エネルギー調査会第35回新エネルギー部会(2009年5月25日開催)において、「太陽光発電の新たな買い取り制度」検討のための小委員会が設置されたことで、太陽光発電に対する期待が、一気に高まっている。
地表に降り注がれる太陽エネルギーは、1平方メートルあたり1kW程度であるが、地球全体に降り注がれる太陽エネルギーでみると、世界の年間消費エネルギーをわずか1時間で賄えるほど膨大な量である。
この太陽エネルギーを利用して発電を行う太陽光発電は、国産エネルギーであり、また発電過程において、まったく排出物を出さないクリーン電源であることからエネルギー・セキュリティおよび低炭素化社会実現の観点からも、極めて重要である。
一方で、太陽エネルギーは、エネルギー密度が希薄で、自然条件に左右されることと、太陽光発電システムは、普及したといってもいまだ石油火力発電など既存電源に比べ、コスト高であるという短所も持ち合わせている。
そこで、この推進のために、前政権ではあるが二階俊博前経済産業大臣が2009年2月24日の記者会見で、太陽光発電による電力を電気事業者が1kW時あたり50円弱という高値で買い取ることを義務づける仕組みの検討を発表した。
この買い取り制度の具体的設計、買い取り対象範囲や買い取り価格の詳細は、小委員会で決めるが、最も問題となる電力会社の負担分は、欧州を中心に広がっている「Feed-in Tariffs(FIT)」制度と同様に一般の電気料金への上乗せでカバーすることになる。経済産業省は、国会への法案提出後、2010年にも実施する方針である。
当初の買い取り額は現時点の電力料金の2倍程度の48円/kW時前後になる見込みで、買い取りを義務づける期間は約10年である。システム価格の1割超の国の補助金とFITの電力買い取り制度を合わせると、およそ10年で初期費用が償却できる計算で、従来20年超かかっていた時間を半減できるとのことである。
しかし、FITの買い取り価格を、年を追うごとに下げる方向も打ち出されており、家庭で得られる全量を売電でもしない限り償却にかかる期間は、これより長くなるのではないかとの懸念もある。そこで、新政権は、全量買い取り制度を打ち出しているが、どのように決着するのか目が離せない。
【横山隆一教授 プロフィール】
1944年生。1973年早稲田大学工学研究科博士課程修了。
工学博士。早稲田大学環境総合研究センター教授。
環境エネルギーシステムの計画・運用・制御に関する研究に従事。IEEJ、IEEE Senior Member、CIGRE会員。
早稲田大学大学院 環境・エネルギー研究科 横山隆一研究室
http://www.f.waseda.jp/yokoyama-ryuichi/index.html
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