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エピソード環境市場新聞創刊時から連載する人気コラム。企業活性化教育研究所の長尾光雄所長が、企業研修時に経験した「芝蘭之化」にまつわるエピソードを紹介します。

#38
芝蘭之化(しらんのか)-1-

全社員参加の研修は、教育土壌をつくる

 人間は環境の動物だ。周囲の環境や接する人に大きな影響を受ける。これを表した言葉が「芝蘭之化」だ。語源は「善人と居るは、芝蘭の室に入るが如し、久しくしてその香を聞かざるは、すなわちこれと化すればなり」(「孔子家語」六本から)。意味は、「よい人と一緒にいるのは芝蘭の香る部屋にいるようなものだ。しばらくして香りを感じなくなるのは、その香りに自分が感化されるためだ」。芝蘭とは、香りのよい草、すぐれたものにたとえられる。一言でいえば、良い人と付き合えば知らないうちに感化されるということだ。
 企業の人材構成は全体を10とすると、2割が「人財」、6割が「人在」、あとの2割が「人罪」になるといわれている。だから組織の力を高めるには全社員参加の研修が必要だ。今は、全社員戦力化の時代、全社員で稼ぐ時代だ。研修も一過性ではなく、1カ月に1度、短時間でも継続的に続けることが大事だ。そうすれば、企業人としてあるべき姿、問題、方向性、価値観を全社員が学び、企業人としてのベクトルが揃うようになる。全社員の学びを組織の中に取り込むから、2割の人財はもちろん、6割の人在、2割の人罪にも、良い影響を与えるのは間違いない。芝蘭之化だ。
 私が中小企業で全社員参加の実践型集合教育研修を実施しているのはそのためだ。今まで研修をしない会社が継続的に研修するようになると、社員の意識も大きく変わり、業績も良くなる。変わらない人は、居心地が悪くなるためか自然に会社を辞めていく。
 継続研修は意識と行動を変える。一例をあげると、今までは依存心がありもたれ合って責任転嫁をしたり波風が立たないように問題を隠すようにしていた。それが一人ひとりに主体性、責任感が生まれ、問題はチームの問題として公にするようにしたら全員で解決するようになる。企業風土がどんどん活性化してくる。
 芝蘭之化だ。教育土壌も自然とできてくる。

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