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河村隆一の訪問!エコスポット。日本テクノのイメージキャラクター河村隆一さんが「自分の足で環境施設を訪れ、知識を深めたい」という思いから実現した企画。環境に配慮しながら運営されている様々な施設をめぐります。

【今回の訪問先】
「エフオン白河 大信発電所」

 「自分の足で環境関連施設を訪れ、知識を深めたい」という日本テクノのイメージキャラクター・河村隆一さんの思いから始まった本企画。前回の「日本テクノ上越グリーンパワー」訪問で発電事業に興味を持ち、ほかの発電所も見学したいと考えた河村さん。環境性が高く、再生可能エネルギーの中でも安定した発電が可能な「バイオマス」に注目した。今回は福島県白河市の「エフオン白河 大信発電所」 を訪問。

河村隆一の訪問!エコスポット「エフオン白河 大信発電所」
所長の笹山久さんが案内してくれました

 化石燃料を除き、動植物から生み出された生物資源を総称してバイオマスという。ここで使用する木質チップもその一種だ。バイオマスは半永久的に自然から与えられる太陽光や風力と同様の再生可能エネルギーと定義されている。木質チップを燃焼すれば二酸化炭素(CO2)が発生するが、それは植物の成長過程で光合成により吸収したもので大気中のCO2 はトータルで見れば変わらない。これを「カーボンニュートラル」といい、燃料の100%をバイオマスで賄うことで、この発電所はそれを実現している。

職人技で木質チップサイロへ

 施設に入り河村さんの目にまず飛び込んできたのが、高く積み上げられた燃料の山だった。といっても容易に燃える石炭や石油ではない。ここでは、木材を数センチ大に細かくした木質チップが「燃料」だ。それが小さな丘を思わせる姿で保管されている。「木のいい香りがしますね」と河村さんの表情が緩む。

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Ryuichi's Voice

 屋外に置かれた木質チップは、含水率を調整するためショベルカーでならし、受入ホッパーという投入口からコンベアーを通じて隣にある三角形のサイロに運ばれます。燃焼効率などを考慮し木質チップを適正な含水率にするにはショベルカーのオペレーターが持つ熟練ワザが欠かせないそうです。電気は人がつくっているんですね。


最適規模の蒸気タービンと発電機

 まずバイオマス発電の仕組みを理解するため屋内へと案内された河村さん。所長の笹山久さんが「利用されていない間伐材などを使って木質チップがつくられます」と説明すると、「では、林業の活性化や荒れてしまった森林の再生にも役立ちますね」と河村さんが笑顔を向ける。その後、中央操作室でオペレーション業務を見学し、蒸気タービンと発電機を間近に見ながら説明を受ける。

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Ryuichi’s Voice

 この発電所では木質チップを燃やした熱で水を蒸気にして蒸気タービンを回し、さらにその回転力で発電機を動かし電気をつくります。タービンの台数を増やせば大きな発電量が得られるけれども、調達する木質チップの量などを考え、最適な設備規模にしているそうです。


細かな灰もとらえるバグフィルター

 場所を屋外に移し、ボイラーとバイオマス発電に欠かせない排出ガスの処理装置(ろ過集じん装置・バグフィルター)を見学。こちらでは、ろ材として繊布または不織布を用い、これを円筒状にして集じんする。家庭用の電気掃除機のように排ガスがバグフィルター内に装着されたろ布を通過するとき、排ガス中のダスト成分がろ布表面に堆積されて集じんが行われる。

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 木質チップは後ろに見える大きなボイラーで燃やしますが、燃焼ガスにまじる細かな灰は逃すことなく処理されます。写真には写っていませんがバグフィルターという装置で灰を集めるそうです。その後、燃焼ガスは煙突から排出されますが、煙が見えないほどのレベル。この日の煙突の先も、空の青さだけが目に映りました。


河村隆一の訪問!エコスポット「エフオン白河 大信発電所」
最後に発電所の皆さんと一緒に記念撮影

 木材を利用し、そのぶん新たな苗を植え、森林を育てていけば、持続可能な循環が生まれる。この発電所の「電気をつくる」以外のもう1つの目的である「山林資源の新たな需要をつくり地域や林業の振興に貢献したい」という願いが表れている。この日、燃焼した木質チップは約1万1500kW(約1万5000世帯分)の電気をつくると同時に、河村さんの心も温めていた。

河村隆一 オフィシャルブログはこちら
https://lineblog.me/ryuichikawamura/archives/12360132.html
https://lineblog.me/ryuichikawamura/archives/12360776.html

エフオン白河 大信発電所訪問中の動く!河村隆一はこちらから

河村隆一さん 訪問!エフオン白河 大信発電所 2016.10.26
【音楽】河村 隆一「あなたの花」