電力需給って何?
こんにちは、河村隆一です。
もうすぐ夏本番。エアコンを使う機会も増え、電気の使用がピークを迎える季節です。この時期になると新聞などでよく「電力需給」という言葉を見るようになります。
言葉の意味は、文字どおり電力の需要と供給。私たちが必要とする電気の量と、発電し提供される電気の量のことです。電力では、この需要と供給のバランスが特に重要視されます。
理由は、電気は原則的に発生と消費が同時だから。つくったらすぐに使うのが前提です。使われないのに発電所でたくさんの電気をつくり送電線に流しても電気の質は低下してしまいます。逆に発電所が送るより多くの電気を使うことはできません。どちらもときには大規模停電を引き起こします。そのため事前に使用される量を予測し、それに合わせて発電の分量を調整しているのです。
さて、発電所でつくること(供給)ができる電力量は、万が一の場合に備えて、予想される最大需要より多めに用意しておく必要があります。その余力を「供給予備力」といい、最大需要に対する供給予備力の割合を「供給予備率」または単に「予備率」といいます。この予備率は最低でも3%が必要といわれていますが、需要が増える夏の時期には、その確保が厳しくなるのです。