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日本テクノが考える「省エネ活動」、「電気設備の安全・安心」、「電力小売」など切り口にした解説や、「環境」に対する思い、「お客様」との協業などを紹介。

電源構成の判断に認識しておくべき
買い取り制度の仕組み

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 国連の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)にて「パリ協定」が採択された。全世界といっても過言ではないレベルでの地球温暖化防止策に取り組む。各国が国情に合わせて温室効果ガス削減策と抑制目標を策定し、実行していく。地球規模で異常気象による災害が多発している昨今、この合意が確実な成果を生んでいくことに期待したい。
 国際的な動きに先駆け、日本の電力業界は2030年度のCO2排出量を販売電力量1キロワット時当たり0.37キログラム(2013年度比35%減)に抑える自主目標を掲げている。目標達成には長期的な視点に立ち、最適なエネルギーミックスを実現していくことが不可欠と考える。世論は、再生可能エネルギー(以下、再エネ)への期待と原子力発電への嫌悪の声が大きくなっているが、そこにも冷静な判断が必要になるだろう。再エネの増大によるコスト増をこのまま全需要家で負担し続ければ、国内産業の国際競争力低下は免れない。

 全需要家の負担とは、固定価格買い取り制度(FIT)によるものだ。現在、国内にある多くの再エネ設備は、需要家の使用量に応じて支払われる「賦課金」によって支えられている。
 FITは再エネの普及拡大をもたらしたが、中でも最大の比率を占めるのは太陽光発電である。太陽光は設置が容易でかつ高額な買い取り価格が設定されていた。事業としての発電ビジネスを考えるなら最も投資効率が高い。FIT当初、太陽光の買い取り価格は40円だった。
 太陽光で発電している企業は40円の全額を受け取り、投資回収にまわすことができる。現在ではこの価格は見直され、27円にまで下がっているが、スタート時に認定を受けた設備の多くは、投資運用の効果に満足しているようだ。FITの目的が、他の発電方法に比べてコストの高い再エネの普及にあることを考えれば、一定の効果が出ているのは間違いない。
 だが、ここで見過ごしてはならないのは、「賦課金により支えられている」ことだ。電気料金に加算して支払われる賦課金。これはつまり、電気料金を支払う国民のすべてが再エネを支えていることになる。特定の事業者が何らかの経営努力によってコストの高い再エネの発電を採算ベースにのせていると理解しては誤りになるだろう。

 この4月から電力の小売りが全面自由化され、すべての需要家が電力会社を選択できるようになった。同時に電力小売り市場に参入する事業者も数多く誕生した。
 国はこうした電力小売りの各社に対し、電源構成の開示を促している。需要家が、さまざまな観点により電力会社を選べるようにするためである。この開示された電源構成を見るとき、構成要素内にある再エネには前述のとおり含みがあることを思い出してほしい。再エネ普及への協力は一国民としてすでに行っているのだ。電力会社を選択する需要家には、そうした認識を持ったうえで、価格、環境価値、事業や生活スタイルなどを考慮した判断が望まれる。
 日本テクノの電源構成にもFITによる再エネは含まれる。だが主力は自社の天然ガスエンジン発電だ。そこにFITによらない水力発電や他社の余剰電力を加え、構成している。安定供給と環境負荷低減を目指した体制である。これが「バランスのとれた電源構成だ」と多くの需要家に判断されることを願う。

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