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日本テクノが考える「省エネ活動」、「電気設備の安全・安心」、「電力小売」など切り口にした解説や、「環境」に対する思い、「お客様」との協業などを紹介。

大量廃棄に懸念
太陽光発電事業者は将来を見据えた運営を

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 地球温暖化問題に対処するため、世界各国が取り組みを進めている。日本も国連に温室効果ガスの削減目標を提出した。2030年度に2013年度比で26%減らすというものだ。その国際的な約束に向け、さまざまな取り組みが始まっている。省エネ技術のさらなる研究開発、水素を使う燃料電池といった化石燃料に代わるエネルギー源の開発や実証実験などである。
 その中で期待も高く、実際に普及拡大の様相を呈しているのが再生可能エネルギー(再エネ)だろう。再エネにも種類があるが、設置が容易で、環境負荷が比較的小さく、固定価格買い取り制度(FIT)により高額での買い取りが約束された「太陽光発電」の導入量は群を抜いている。
 その太陽光に今、新たな問題が浮上している。使用済み設備の処理である。
 これまでFITの買い取り期間は20年に設定されてきた。急速に普及し導入された設備が一斉にその期間を終えるのだ。太陽光パネルは経年により効率は落ちるものの、割れない限り発電性能は保持される。だが電流を切り替えるパワーコンディショナーは20年程度で入れ替えが必要だ。また、土地や屋根を借りてパネルを設置している場合は、設置場所の返還により発電設備は処分されることになる。
 環境省では、太陽光発電設備の寿命を25年とした場合の廃棄される設備の排出量を試算している。その量は2020年に約3000トン、2030年で約3万トン、2039年には約78万トンに達する。同省では、この事態に対応し、排出設備の適正処理について検討会を立ち上げ、そこでの議論を経て、「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」を策定し、公表した。

 太陽光パネルの多くの部分はリサイクルできるが、溶接による鉛などの有害物質も含まれており、産業廃棄物としての処分が必要になる。そのコスト負担が、やがて不法投棄や放置などの問題につながっていくと懸念されている。だが、太陽光を設置した事業者は20年にわたって発電量に応じた「買い取り価格」を受け取る。そこには約5%の廃棄費用が見込まれている。処理費用の原資は用意され、新たに手当てする必要はない計算だ。最終処分をしっかりと見据えた事業運営がなされていれば、不法投棄などの問題は生じないはずである。
 日本テクノでも子会社の日本テクノパワーでメガソーラービジネスを展開中だ。FITを活用し、発電された電気は全量を日本テクノが買い取っている。太陽光の発電量は天候により突然の変動があるが、その調整は主に袖ケ浦と上越の2カ所の天然ガスエンジン発電所の出力制御によって行っている。
 当社のメガソーラーは20年後に自治体へ譲渡することを前提に運転を開始した。しかし、将来の売電価格や管理費の変動などにより、譲渡できない可能性もある。そうした不測の事態も考慮し、運営計画を策定している。設置の際に採用した杭による架設は、土壌への負荷を減らすほかに、撤去時の費用負担を軽減するという目的もあった。

 再エネのメリットは大きく、地球温暖化防止策の有効な手段の一つである。だが撤去時の環境負荷が大き過ぎるのでは、元も子もない。FITの制度終了時、太陽光パネルの大量不法投棄や野ざらしで放置された設備が散見する風景は見たくない。

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