日本テクノは電気の安心・安全、安定供給を第一に考えるとともに、
「経済成長と省エネの両立」に向け、
日々新たな商品の創造とサービスの充実を図っております。
このコーナーでは、その時々の社会事情における企業姿勢を紹介しています。
電気の「見える化」を
企業の成長を促すための
「投資」と位置づける
前号の小欄で、経営課題の解決がひいては地球温暖化対策に貢献していくという日本商工会議所の「環境アクションプラン」を紹介した。当社の提供する電気の「見える化」が、企業全体の業務改善、生産性向上、利益確保につがなっていったという実績を認め、その効果をさらに推し進めるような内容だった。
そうした動きからもわかるように、経営課題の解決を導く電気の「見える化」は、もはや企業の成長を促す「投資」として位置づけられている感がある。
2018年3月に日本経済団体連合会(経団連)が発表した「経団連サイバーセキュリティ経営宣言」には、分野は異なるが「見える化=投資」の関係と類似する考え方が示された。IT分野のセキュリティ対策を「コスト」と考えるのではなく、将来の事業活動や成長に必要なものと位置づけ、「投資」としてとらえる重要性が強調されたのだ。
宣言では、①経営課題としての認識②経営方針の策定と意思表明③社内外体制の構築・対策の実施④対策を講じた製品・システムやサービスの社会への普及⑤安心・安全なエコシステムの構築への貢献──という5項目についての取り組みを示している。
あらゆる産業のデジタル化でモノ・ヒト・コトがつながり、最新テクノロジーが持続的成長と課題解決を両立させ、社会全体の生産性向上が期待される昨今。そのシステムを脅かす存在の排除(サイバーセキュリティ)は重要な経営課題である。そして、そのセキュリティ技術は、事業継続性の確保や防衛力の向上にとどまらず、ITの利活用で企業収益を生み出すツールにもなっていく。そうした背景から、これを企業の成長を促す「投資」と位置づけた。
現在、多くの日本企業が以前とは異なる経営戦略へとシフトしている。経費削減などマイナスの抑制による利益確保から、プラスを拡大させる売上増加への転向だ。売上増加のため、生産設備の増強、営業時間の延長、従業員増員など、いわゆる「投資」に分類される活動が積極的に行われている。
ただしその投資も、従来のやり方のままではない。新規導入の生産設備はより省エネ設計に、営業時間は来店客の動向を緻密に計算し、増員は働き方改革の流れに沿って、それぞれが進められている。いずれも自社の競争力を増強し、成長していくための戦略だ。
そして価値創造とリスクマネジメントの両面から対策に努めようとするサイバーセキュリティも、それらと同じ戦略と考えていい。だから経団連は、それを「投資」と位置づけた。
電気の「見える化」は、ピークデマンド対策や電力使用量節減といった経費削減が1つの目的ではある。だが、決して無視できないのが、その先にある生産性向上の効果だ。
「見える化」の活用で、効率的な電力の使用方法を検討、実施、検証することができる。電力を使うのは人だ。つまり、「効率的な電力の使用方法」とは、人がどのように動けば無駄をなくせるかを示す方法であり、これは生産性の向上に直結する。そのプロセスで従業員の意識改革が進行し、検証作業によって、モチベーションは維持されていく。
経費削減と生産性向上の両面から経営課題の解決に資することができる電気の「見える化」。これもまた、サイバーセキュリティ対策と同様、「投資」と位置づけるのがふさわしい。