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2017.07.14環 境

世界の平均気温 3年連続上昇
2016年 気象庁確定値 日本も統計開始以降の最高値

 2017年2月、気象庁は2016年の世界と日本の年平均気温(偏差)の確定値を公表した。いずれも統計開始(世界は1891年、日本は1898年)以来、最も高い値となり、世界の値は3年連続で最高を更新した。

 2016年の世界の年平均気温偏差は、0.45℃だった。2014年に0.27℃、2015年に0.42℃と、それぞれ当時の過去最高値を更新していたが、それをさらに上回る値になった。ユーラシア大陸、北米大陸、太平洋熱帯域、インド洋など広範囲で顕著な高温となり、北大西洋や北太平洋の一部など低温になった地域の値を相殺し全体の平均を押し上げた。気象庁では、世界の年平均気温は100年当たり0.72℃の割合で高くなっていて、特に1990年代半ば以降は高温になる年が多くなっていると分析している。
 気象庁の発表に先立ってアメリカの海洋大気局(NOAA)も、2016年の世界の平均気温が約14.8℃で、3年連続で最高値を更新したと発表している。
 2016年の日本の年平均気温偏差は0.88℃だった。これまでの最高だった1990年の0.78℃を0.1℃上回る値になった(3位は2004年の0.77℃)。地域別では東日本、西日本、沖縄、奄美がかなり高く、続く北日本も高かった。特に東日本では1946年の統計開始以来、2004年と並び最高値になった。日本の年平均気温は100年当たり1.19℃の割合で高くなっていて、世界と同様に1990年代以降、高温になる年が多くなっている。
 気象庁では、2016年の世界と日本の年平均気温が高くなった主な要因として、地球温暖化の影響と、2014年夏から2016年春まで続いたエルニーニョ現象の影響をあげている。

年平均気温偏差  気象庁では、世界全体や日本全体の平均気温を示す場合、実際の平均値を算出するのではなく、平年と比較した値(偏差)によって表している。これは、広い地域の気温を測定し平均するのが困難であることや、それを算出できても極寒の地や熱帯といったばらつきにより平均が意味をなさなくなってしまうため。
 よって、平均的状態(基準値)からの気温のずれをみるほうが気候変動の監視に有用となる。今回発表された年平均気温偏差で基準値としたのは1981〜2010年の30年の平均値。気象庁ではこの平均値を10年ごとに更新している。

年平均気温偏差の推移