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世界の教育について考える―1月24日は「教育の国際デー」

1月24日は「教育の国際デー」。世界の平和と開発のために教育が果たす役割の重要性を確認・尊重する日として国連が制定しました。
教育は、人生を豊かにするだけでなく持続可能な社会を築く基盤として非常に重要なものです。それにもかかわらず、世界には教育を受けたくても受けられない人々が多くいます。
そこで今回は世界の教育について、そしてSDGsとのつながりを知り、私たちにできることを考えていきます。


【目次】
世界の子どもたちの教育の状況
SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」
私たちにできること


世界の子どもたちの教育の状況

日本では憲法で定められた「教育の義務」により、子どもたちは義務教育として小学校と中学校に通わなくてはなりません。そのため、就学率はほぼ100%です。一方、世界では、2.5億人もの子どもたちが学校に通うことができない状況です。約5人に1人が小学校にも通えず、文字を読み書きすることもできません。その理由は、貧困や紛争、女子への教育の無理解などさまざまです。

①貧困
経済的理由によって学校の数が少なく、さらに教師の給料が安いがためになり手の少なさやその質が悪く、学校教育の環境自体が整っていない。また、児童労働や家事(遠くの井戸までの水くみなど)、きょうだいの世話をしなくてはいけないという理由で学校に通えない子どもも多い。
②紛争
紛争地域では、学校が破壊されたり、暮らしていくこともままならないため学校に通うことができない。それだけでなく、子ども兵士として戦地に行かなくてはならない子どもまでいる。
③女子への教育の無理解
「女子に教育は必要ない」という文化的な理由や子どもであっても女性は家事をしなくてはいけないなどの理由で学校に通うことができない女子は多い。児童婚(18歳未満での結婚)や妊娠・出産によって、学校に通っていたとしても途中で退学を強いられるケースも少なくない。
これらの他に、子どもが学校に通えない理由には、親が学校に通っていなかったからというものもあります。教育の必要性について理解が得られなかったり、そもそも親が低収入の仕事にしか就けず家計が苦しかったりするなど、貧困から抜け出せなくなるのが現実です。
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SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」

SDGsの17の目標のうち、目標4は「質の高い教育をみんなに」です。
SDGsというと地球環境を、また教育というと子どもを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、本来SDGsは環境問題・貧困・不平等などのさまざまな問題に対して地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」で解決をめざすことを誓ったもの。また、SDGs目標4のターゲット6では「2030年までに、すべての若者、そして大人が、男女ともに、読み書きや計算ができるようにする」ことが掲げられています。子どもたちが十分な教育を受けられる環境を整えることはもちろん、教育を受けずに育った大人のための教育も重要です。途上国では読み書きができない大人も多く、公共交通機関が利用できない、薬の飲み方がわからない、注意書きが読めず危険区域に足を踏み入れてしまうなど日常生活への影響も大きく、持続可能な社会を実現するためにも識字率や教育の質の向上は大きな課題です。

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私たちにできること

日本では当たり前に認められている権利や義務が、当たり前ではない国や地域もあります。
そこで、私たちにできることを考えてみましょう。海の向こうの遠い国々に直接赴いてのボランティア活動は多くの人にとってはハードルが高いですが、募金や、使わなくなった文具・衣類などの寄付でも支援が可能です。もっと簡単な方法として、フェアトレード※認証製品を選んで購入するのもいいでしょう(コーヒーやチョコレートが代表的です)。

フェアトレードとは
翻訳すると「公正な貿易」。
途上国の生産者の労働環境や生活を支援するために、つくられた原料や製品を正当な価格で購入すること

今回は途上国での教育についてフォーカスしましたが、日本にも貧富の格差による教育の質の差や障がいの有無に関係なく同じ場所で学ぶ「インクルーシブ教育」の推進など、課題はあります。さまざまな現状に目を向け、知ることで今私たちにできることを考えていきましょう。

【参考資料】
SDGs CLUB(日本ユニセフ協会)
・変わる、世界と日本の教育(JICA)
・学校に通えない子ども、世界で2.5億人 教育を受ける権利の実現への手助けをユニセフ事務局長、G7教育相に訴え(日本ユニセフ協会)

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