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日本テクノが考える「省エネ活動」、「電気設備の安全・安心」、「電力小売」など切り口にした解説や、「環境」に対する思い、「お客様」との協業などを紹介。

日本テクノは電気の安心・安全、安定供給を第一に考えるとともに、
「経済成長と省エネの両立」に向け、
日々新たな商品の創造とサービスの充実を図っております。
このコーナーでは、その時々の社会事情における企業姿勢を紹介しています。

温暖化対策の目標へ
全体最適を意識しながら
個々の課題に対応する

アンダーバー

 パリ協定は、気候変動の脅威に対する世界全体での取り組みとして、産業革命以前から平均気温の上昇を2℃より低く抑え、さらに努力目標として1.5℃に抑えることを追求し、21世紀後半には温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すものだ。目標達成のために各国は、5年ごとに温室効果ガス削減への取り組みを国連に提出し更新していく。
 日本は、2030年度に2013年度比で排出量26%削減の目標を掲げた。2015年7月に決定された「エネルギーミックス(長期エネルギー需給見通し)」と整合するように策定されている。2018年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、エネルギーミックスの実現に向けて取り組みが強化されている。
 
 温室効果ガス排出量の約9割はエネルギー由来であり、そのうちの50%が発電に伴う排出である。化石燃料を使用する火力発電だ。  2010年度に64%だった火力発電比率は、東日本大震災後の原子力発電所停止分を賄い88%に増加した。その後2017年度には81%までに低下している。さらに2030年度の目標に向け、非効率な石炭火力のフェードアウトと、よりクリーンなガス火力発電へのシフトが進められている。日本テクノも安定供給と経済性および環境面を考慮し2012年と2015年にガスエンジンによる火力発電所を建設している。
  
 とはいえ、化石燃料に頼らない発電方式の拡大がパリ協定をはじめとする温暖化対策の目標達成には欠かせない。震災以降、非化石電源のひとつである原子力発電所の多くは停止。2030年度に20〜22%を目指す原発比率は2017年度時点で3%だ。再稼働は、世界最高水準の基準を満たす安全性最優先で審議されている。
 もうひとつの非化石電源・再生可能エネルギー(再エネ)は、2012年度の10%から2017年度に16%へと拡大した。背景に再エネ固定価格買取制度(FIT)があり、電気料金に上乗せされる賦課金という国民負担がシェア拡大を後押しする。2019年度の想定買取費用の総額は、約3.6兆円だ。再エネは国民の負担を減らすべくFITからの自立が課題である。
 また太陽光発電を自家消費する家庭が増えるほど、系統送電網のコスト負担が大きくなるという課題もある。自家消費する家庭でも夜間や雨天、災害時などは電力供給を受けざるを得ない。その利用料金は費用按分が低いので、送電線を運営する側の負担は膨らむ。分散型システムによるエネルギーの地産地消が進むのはよいが課題もあるのだ。
 
 エネルギーミックスを念頭に置く温暖化対策と並行して、省エネによる排出削減にも目標は定められている。2030年度に2012年度比で35%削減だ。  2019年エネルギー白書は、省エネは目標ラインに沿って改善されていると報告した。それによると2016年度は2012年度比8%減だった。だがあと27%頑張る必要がある。オイルショック以降、世界最高水準の省エネを実現してきた日本において、さらなる技術革新が求められるということだろう。ここにも課題は見え隠れしている。
 企業や社会においてエネルギーは必要不可欠である。なくなれば、日々の生活や経済活動はままならない。エネルギー供給の全体最適をおろそかにせず、それを常に意識しつつ、個々の課題の解決に取り組んでいかなくてはならない。 この情報を、電気を使う需要家が容易に入手できるようにし、市場価格の傾向により使い方を工夫してもらいたいという思いが新サイト開設にある。需要の増大を市場価格という指標で「見える化」し、その時期に合わせ電力使用を控えるなどすれば、必要な供給量は平準化される。無駄な発電が不要になり、CO2排出量の削減につながる。  こうした工夫をこらしながら、令和の時代も温暖化対策に資するツールを提供し続ける考えである。


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