電力各社 予備率3%以上を確保 節電要請、今冬も数値目標なし
2015年10月、政府の電力需給に関する検討会合は、2015年度冬季の電力需給対策をまとめた。今冬も、沖縄電力管内を除く全国共通の対策として数値目標を設定しない節電協力要請などを決定した。冬季の需給対策で数値目標を掲げなかったのは、これで2年連続になる。
対策の根拠としたのは、経済産業省の電力需給検証小委員会が示した「電力需給見通し」。ここで、2015年度冬季は、電力各社ともに、最低限必要とされる予備率3%以上を確保できることが報告された。見通しに織り込まれたのは、①近年の厳寒時と同等になるリスク②直近の経済成長の伸び③家庭や企業における節電の定着──など。供給力の算定で原子力には、九州電力川内原子力発電所1号機の稼働分だけを加えた。
沖縄電力を除く9電力会社全体の最大電力需要(2016年2月)は1億5251万キロワットと推計、それに対する供給力は1億6192万キロワット、予備率は6.2%になる。最も予備率が低い関西電力でも3.3%ある。
節電協力要請の期間は2015年12月1日から2016年3月31日までの平日(12月29~31日を除く)。9~21時(北海道電力と九州電力は、8~21時)の時間帯。現在定着している節電の取り組みが、無理のない形で確実に行われるよう呼び掛ける。