「電源構成の開示」望ましい。経産省「電力の小売営業に関する指針」制定
2016年1月、経済産業省は電力の小売りを行う事業者や関係者に向けて、適切な情報提供の方法などを示した「電力の小売営業に関する指針」を制定した。懸案となっていた電源構成の開示については法的な義務化は見送られた。
電力小売り市場の全面自由化に伴って異業種からの新規参入も予想されることから、電気事業法に反する行為などを示し、適正な営業活動を行うための指針を設けた。指針では次の5つの項目を柱とした。①需要家への適切な情報提供②営業・契約形態の適正化③契約内容の適正化④苦情・問合せへの対応の適正化⑤契約の解除手続きの適正化。
「適切な情報提供」の項目では、小売電気事業者に対して、提供する電気の電源構成や二酸化炭素(CO2)排出量の開示を「望ましい行為」とした。情報はホームページやパンフレットなどに掲載する。情報開示に当たっては、電源構成を算出した期間、FIT電気の特性(全需要家が賦課金を負担していることなど)、電源比率の明確な数値、取引所から調達した電気の特性などを明記するよう求め、それらを記載しない場合は「問題となる行為」とした。
電源構成の開示は需要家の選択肢を増やし、より競争的な電力市場の実現に役立つとしている。