環境省 国立環境研究所発表 確報値 2014年度排出量5年ぶり減少
2016年4月、環境省と国立環境研究所は2014年度の国内の温室効果ガス排出量の確報値を取りまとめ発表した。総排出量は前年度に比べて3.1%(4400万トン)少ない13億6400万トンだった。2005年度比では2.4%(3300万トン)減、京都議定書の基準年であった1990年度比では7.3%(9300万トン)増になる。
排出量が前年度比で減少した要因には、冷夏や暖冬の影響で冷暖房の需要が減少したことや省エネの浸透で電力の消費が低く抑えられたことがあげられた。そのほか再生可能エネルギーの導入拡大や火力発電所の高効率化などで、発電での温室効果ガス排出量が減ったことなども影響した。
部門別排出量の前年度からの増減は、工場などの「産業部門」が1.4%(600万トン)減、「運輸部門」が3.4%(760万トン)減、オフィスや商業施設などの「業務その他部門」が6.2%(1740万トン)減、「家庭部門」が4.8%(960万トン)減、発電所などの「エネルギー転換部門」が5.3%(520万トン)減だった。
森林対策による温室効果ガスの吸収量は4990万トン、農地管理・牧草地管理・都市緑化活動による吸収量は800万トンで、合計は5790万トンになる。これは排出量から差し引いて計算できる。
2014年度の温室効果ガス排出量は昨年11月に「速報値」が公表されていたが、今回はデータの修正や算定方法の見直しなどを行い「確報値」がまとめられた。