新「バイオマス活用推進基本計画」 約5000億円規模の市場創出へ
2016年9月、政府は改定した新「バイオマス活用推進基本計画」を閣議決定した。2010年に策定された最初の基本計画を、規定に基づき見直したもの。
見直しに当たってバイオマス活用の推進状況を検討した結果、取り組みはおおむね順調に推移していることなどから、前計画で設定されていた数値目標は継承された。2025年における主な目標は次の3つ。「バイオマス利用量は炭素換算で年間2600万トン以上」「全都道府県および600市町村でバイオマス活用推進計画を策定」「約5000億円規模のバイオマス関連市場を創出」。
改定した基本計画で重点が置かれたのは、地域に関連する取り組み。各地域に存在するバイオマスを、その地域が主体となった持続可能な事業の創出で活用し、農林漁業の振興や地元への利益還元につなげるのが大切だとしている。そのために講じるべき施策として、「バイオマスの高度利用や多段階利用といった高い経済的価値を生み出す活動の施設整備などによる後押し」「エネルギー効率の高い熱利用の普及、バイオガスの利用促進などに設備導入の支援や指導体制の整備で対応していく」「成功事例のノウハウなどを幅広く共有していくことにより取り組みの横展開を促進させる」などをあげている。
さらに研究開発に関しては「バイオマスの混合利用」「下水汚泥由来の水素ガス製造」「バイオガス製造過程で発生する副産物の利用」「微細藻類などの次世代バイオ燃料の開発」といった項目を示した。