人口 | 841,473人※2013年7月1日現在 |
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面積 | 149.99km² |
市HP | http://www.city.sakai.lg.jp/ |
備考 | 環境モデル都市(2009年認定) 環境市場新聞34号掲載 |
堺市ニューストピックス
- 2013/10/1
- 本編を公開いたしました。
- 2013/6
- 取材を行いました。
低炭素都市の実現を目指して
市庁舎展望台から望む
仁徳天皇陵
人口約84万1000人、大阪府では大阪市に次ぎ第2の都市である堺市。仁徳天皇陵として有名な前方後円墳をはじめ、多くの史跡が街に残る。また、古くから自転車産業が盛んで、「自転車のまち」とも呼ばれている。
1957年に開始した「堺臨海工業造成事業」では、堺市臨海部に日本有数の重化学コンビナートの建設ラッシュが始まった。それは工業都市として繁栄する一方、公害問題ももたらした。そんな中、1968年に「堺から公害をなくす市民の会」が結成。以後、行政・市民協働で公害の改善に努めてきた。
環境先進型コンビナートの誕生
そのような背景を経て、2009年、環境先進型コンビナートとして「太陽光発電パネル製造工場」が、翌年には「液晶パネル製造工場」が竣工した。これらのコンビナートでは、部材関連メーカーを敷地内に集結させた、垂直統合型生産体制を構築。コンビナート内で生産を完結させることにより輸送をなくし、低炭素化につなげている。
コンビナート内には、統合エネルギー管理センター(EMS)を設置し、エネルギーの効率化を実行。全工場にある約10万台の照明はLEDに置き換えられた。また、建築環境の性能を総合的に評価する、国土交通省主導で開発された制度「CASBEE大阪みらい」では、該当する全ての建物で最高ランクとなる「Sランク」を取得。敷地内では、電気自動車や低公害車両導入、天然ガス車両での物流などを推進している。
コンビナートの誘致により、経済波及効果は年間約7227億円にのぼり、就業者の多くが堺市に居住することで、地域の活性化に貢献。2006年~2010年には、地元の学生などを対象にした施設見学も実施され、環境教育にも一役を買った。
国内最大級のメガソーラー
堺市が誇るメガソーラー
「堺太陽光発電所」
2011年9月、同じく堺市臨海部に日本最大級のメガソーラー「堺太陽光発電所」が運転を開始した。市の新たなランドマークとしても定着してきているこのメガソーラーは、関西電力との共同事業で、発電出力は10000kW、発電量は、一般家庭約3000世帯の年間電気使用量に相当する、約1100万kWh。およそ74000枚の太陽光パネルが、甲子園球場5個分相当の約20haの敷地に広がっている。メガソーラー運転によるCO2排出削減量は年間約4000t。これは、杉の木28万5000本の植樹に相当する。
太陽光パネルの設置にあたっては、敷地面積の限度や、元来、産業廃棄物埋立処分場だったことによる軟弱な地盤に対応するため、様々な工夫を凝らした。
堺港発電所PR館では
メガソーラーの各種情報を提供
限られた敷地に、より多くのパネルを設置するため、パネルの傾斜角を15度に設定。パネル設置により出来る陰の影響を最小限にし、パネルが受ける風圧も軽減し、結果として基礎コンクリート量の削減につながった。また、地面への負担を軽減するため、パネルの荷重を支える鋼製の架台を使用せず、各パネルをコンクリート基礎に直接固定し、鋼材の大幅な削減も果たした。
太陽電池パネルには、同じ臨海部にある堺シャープ工場「グリーンフロント堺」で製造された「シリコン系薄膜型」を採用。結晶型のパネルに比べ、シリコン使用量が少なく、製造に使うエネルギー量も少ない。
そして、面白い仕掛けも忘れていない。特定のパネルに昼間は赤いシートを、夜間はLEDを使用し、近隣に位置する関西国際空港から離発着する航空機上で「SOLAR SAKAI」の文字が見えるようにした。このようにすることで、堺太陽光発電所から、低炭素社会の実現に向けた取り組みを、文字通り全国へ発信している。