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北海道帯広市

人口168,914人※2013年4月30日現在
面積618.94km²
市HPhttp://www.city.obihiro.
hokkaido.jp/
備考環境モデル都市(2008年選定)

帯広市ニューストピックス

2013/6/4
本編を公開いたしました。
2013/4
取材を行いました。

廃てんぷら油を燃料に


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スーパーに設置された
廃てんぷら油回収ボックス
帯広の森と同じく、行政と市民が協働で作り上げた取り組みが「おびひろ・BDFプロジェクト」だ。BDFとは、バイオディーゼル燃料(Bio Deisel Fuel)の略称で、菜種油やヒマワリ油などの植物由来の油や、各種廃食用油(てんぷら油など)から作られる軽油代替燃料(ディーゼルエンジン用燃料)のこと。この燃料の使用で排出されるCO2は、植物が吸収してきたCO2と相殺されるカーボンニュートラルのため、CO2の総量は増えず、環境に優しい燃料だ。帯広市では、地球温暖化防止に貢献するための手法の一つとして「廃てんぷら油」の回収をモデルケースとして、全市民運動として取り組みを展開している。2008年に開始したこのプロジェクトは、資源の再利用、ごみの減量化、市民の環境意識をより高めることを目的としており、実際、家庭からの廃てんぷら油回収量は、着実に増え続け、2009年度の家庭からの回収実績は79,061リットルにも及ぶ。市内のスーパーなど約30カ所に設置された回収場所では、買い物ついでに廃てんぷら油を持ちこむ市民も多くみられる。市が行ったアンケートでは、回答者の約半数が、使用済みのてんぷら油を回収ボックスに持ち込むと答えた。また、「BDFプロジェクトを知っているか」の問いにも半数以上が「知っている」と答え、市民への浸透度の高さがうかがえる。 スーパーなどで実施されているこの「廃食用油再生利用モデル事業」で回収された廃てんぷら油は、「エコERC」(中川郡豊頃町)と「昭和工業」(帯広市)が運営するBDF製造施設に運ばれる。

BDFでバスが走る


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豊頃町にあるBDF製造施設
「エコERC」
豊頃町にある「エコERC」は、北海道最大、全国でも有数のBDF工場であり、1日24時間の稼働で、3,600リットルのBDFを製造することが可能である。帯広市の廃食用油再生利用モデル事業で回収された廃てんぷら油は、週に1,300~1,400リットルほど持ち込まれ、この工場でBDFへと生まれ変わる。脂肪酸とグリセリンで構成されている植物油に、製造過程でアルコールを加え脂肪酸と合体させる。そして、分離したグリセリンを除去することで、BDFとなる。除去したグリセリンは、バイオガスプラントで有効利用され、無駄のない製造フローが確立されている。


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BDFで走るバス
エコERCでは、数回にわたる精製作業を行うため、持ち込まれた廃てんぷら油は、実に90%以上がBDFとして使用することが出来、再利用率はとても高い。製造されたBDFは、市内を走る十勝バスや拓殖バスの車両などに使用され、市民の協力のもと、環境負荷の低減に一役買っている。現在はまだ、国の規定や給油場所などの面で、一般的な燃料とは言えないが、今後、時代が追い付けば、様々な場所でBDFが活用されていくだろう。

このように、帯広の森やBDF事業においても、市民の前向きな取り組みが帯広市の環境施策を支えている。市では、人口規模に合った取り組みをこの先も展開。農業を中心とした街づくりを目指し「田園環境モデル都市」と打ち出した。間伐材や流木、牛ふんなどの豊富なバイオマスの活用や、食と農林漁業を柱とした「フードバレーとかち」と呼ばれる取り組みでは、食の美味しさ、十勝ブランドの促進などを行い、街の魅力を発信し、市民と共に成長を続けていく。

取材協力:帯広市、株式会社エコERC
一部写真提供:帯広市
記事公開日:2013年6月4日

編集後記 街角にて

そりを曳きながら力や速さを競う日本唯一のばんえい競争が、ここ帯広で開催されています。競馬場の敷地内では、ばんえい競争を引退し、現在では、ばんえい競馬の広報役として活躍する「リッキー」と触れ合うことが出来ます。帯広市民からも愛されているばんえい馬の「リッキー」。現役時代の成績は芳しくなかったようですが、これまでの広報活動の功績が認められ、特別住民票が交付されました。今後もばんえい競争を広めるため、奔走していくでしょう。

お食事中のリッキー(左)帯広市民の証である住民票(右)

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