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気軽に「環境」を学べる、全国各地のさまざまな「体験型施設」を紹介していきます。
かごしま環境未来館@鹿児島県

見つけよう!いま、私にできること

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 鹿児島市の中心部を流れる甲突川を眺めながら歩いていくと、青空に映えるさわやかな緑の丘が見えてくる。実はこの丘、環境に配慮された人工の建造物。屋根全体を芝生で覆うことで、夏の室温上昇や周辺への照り返しを防止しているんだとか。誰でも自由にのぼることができるため、春にはお弁当を広げて眼下に広がる桜を楽しむ人の姿も見られるという。今回の訪問先は、そんな特徴的な丘をもつ「かごしま環境未来館」。
かごしま環境未来館@鹿児島県

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 館内に入って、すぐ横の入り口にあるのがリユース・リサイクルショップ。中に入ると、真新しい食器やタオルが並んでいる。鹿児島市に住んでいる人や通勤・通学をしている人限定で未使用の日用品を提供したり、図書の貸し出しを受けたりすることでポイントが貯まってお店に並んでいる好きな品物と交換できるのだそう。ショップを出たところから全4つの展示ゾーンが始まる。ここからはスタッフの方にガイドを頼むのがおすすめ。物事の理由や背景を聴いて、理解を深めてみよう。

 順路の最初、ゾーン1のタイトルは「世界は繋がっている」。壁一面に展示されているのは、外国語ラベルのペットボトルやライター、注射器などさまざま。これは、九州の海岸に流れた漂着物だという。東日本大震災のときに、日本のものが海外に流れ着いたというニュースを耳にした人も多いのでは?海を渡ってくるのは文化だけではないのだ。

ゾーン2は「地球はすでに限界を超えている」。床一面に36枚の写真が並び、壁は世界の現状を訴えるメッセージがびっしりと書かれている。北極の氷が溶けていく様子やゴミ捨て場をあさるホッキョクグマの姿―写真に映るのは、すべて足元で起きていることなのだ。何が原因で、どんなことが起き、そして私たちの暮らしにどう関わってくるのか、スタッフが説明してくれる。

 ゾーン3は「わたしたちがしてきたこと わたしたちがすべきこと」。天井からぶらさがるたくさんのビニール傘や携帯、割り箸、ポケットティッシュ。これは、日常の中にあふれる大量生産、大量消費の産物。設置されたテーブルには、遊びながら学べるスペースもある。

 最後のゾーンは「あの日に帰って考える 今日という名の未来」。扉を開ければ、そこは昭和46年当時を再現した小学校の教室。このころ暮らしのスタイルは大きく変化し、公害問題は深刻化した。時代を感じる小さな椅子に座ると、スクリーンが降りてくる。ここで見られるのは、環境問題をテーマにしたオリジナル映像。上映作品の最後にはこんなメッセージが流れる。「いま私たちの地球は、運命の決まっている未来に直面しているのではなく、選択を目の前にしているのです。」

 地球環境を身近に考え、「いまできること」を見つけられる場所、かごしま環境未来館。ぜひ訪れて、それぞれの「できること」を確認してみよう。

かごしまかんきょうみらいかん
住所●鹿児島県鹿児島市城西2-1-5
電話●099-806-6666
開館時間●9:30〜21:00(日曜祝日は18:00まで)
休館日●月曜日(休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
入館料●無料
ウェブサイト●http://www.kagoshima-miraikan.jp/

こぼれ話 こぼれ話

 第2回は初めての鹿児島にやってきました!今回もあいにくの曇り空…雨女ということを実感しつつ、おいしい黒さつま鶏の溶岩焼きをいただいていざ出発!
 たどり着けば、やさしい笑顔で迎えてくれた塩川さん。"人と地球は一緒"という言葉が印象的でした。生きていることは呼吸をしていること、つまり空気を吸っていること。食べることは植物や動物、生きものに繋がります。水や食べ物、海や川、すべてが繋がりを持っていて、それが汚れたり、壊れたりしているのが環境問題。塩川さんは、「もっと自分の身体や気持ちを大切にしてほしい。そして、地球のことも、隣にいる人のことも大切にしてほしい。」とお話してくれました。
 時間に追われて、気持ちにゆとりを持てていない人も多いのでは?環境のことを考える第一歩は、自分の気持ちにゆとりを持つことなのかもしれません。
 忘れがちな大切なことを思い出させてくれた鹿児島の旅。塩川さんをはじめ、温かく迎えてくれた職員の皆さん、ありがとうございました!
(次回、訪問先のヒントは………日本のシンボルともいえる世界遺産!)

風の子楽習館
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