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Eco Story 環境活動を推進する企業の物語
#24/これまでの登場企業

本業に即しながら環境配慮も抜かりなく

アンダーバー

 今回で第24回を数えるこのコーナー。連載開始は、2013年冬季発行の本紙31号だった。激しく変化していく国内外の環境問題やエネルギー政策を受け、企業がどのような環境活動を続けているのかをみてきた。
 登場した企業は、製造業、サービス業、運輸業など多岐にわたる23社。今回はそれらの取り組みを総括し6年に及んだシリーズの中間まとめとする。

仕切り

 全体を通して感じられたのは、各企業が取り組む主な環境活動は、本業に関連しており、力を注いでいる分野はビジネスの延長線上にあるという点だ。そのほうが、明らかな畑違いで活動するより貢献度は高く、企業が存続する限り活動も持続できる。
 前号で紹介したアース製薬は、蚊を退ける虫ケア用品を扱うが、その事業がそのままSDGs(持続可能な開発目標)のターゲットに含まれている感染症対策に貢献する。
第1回に登場したノーリツは、給湯器や浴槽などを製造するが、環境報告書を作成する中で、製品使用段階を含めたグループ全体の年間二酸化炭素(CO2)排出量が日本全体の1%に相当するという試算を出した。その数値を重く受け止め、よりエネルギー効率の高い製品開発を進めていく。そうして環境省認定の「エコ・ファースト企業」をガス石油機器業界として初めて取得した。市場に省エネ型の給湯器が広がれば、各家庭の入浴のたび相対的にCO2排出量は削減されていく。
 第16回のカゴメは、トマトなど野菜や果実を用いた商品づくりを続ける食品メーカー。高品質の商品を安定して提供するには原材料を産出する農地や里山の維持管理が大切だ。そのためには、その地の健全な生態系が必要で、過剰な化学農薬などを使用しないという栽培思想を貫いている。契約農家の経営が安定するよう、価格面の配慮や栽培指導などを行い、耕作放棄地の抑制につなげ、農地が育む豊かな生態系を守っている。これも事業そのものが環境活動といえそうだ。

仕切り

これ以外の企業も同様に、本業に即しながらの環境活動を盛んに推進している。さらには、そこから派生した環境教育や3R(リデュース・リユース・リサイクル)活動、地域貢献など、異なる分野へも広がりをみせている。
 今後も、そうした「環境活動を推進する企業の物語」を随時紹介していく。