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日本テクノが考える「省エネ活動」、「電気設備の安全・安心」、「電力小売」など切り口にした解説や、「環境」に対する思い、「お客様」との協業などを紹介。

日本テクノは電気の安心・安全、安定供給を第一に考えるとともに、
「経済成長と省エネの両立」に向け、
日々新たな商品の創造とサービスの充実を図っております。
このコーナーでは、その時々の社会事情における企業姿勢を紹介しています。

SDGsとパリ協定
目標の達成は困難でも
お客様とともに挑みたい

アンダーバー

 当社設立から25年、本紙創刊から15年。ありがたいことにその間、全国から5万件以上のお客様の支持を得られるようになった。節目のときにあらためて思うのは、1つの企業ではなし得ないことでも、その数万というネットワークがあれば、地球規模の難局でも、克服するための突破口を開いていけるのではないかという期待である。
 国際社会が立てた地球環境に関連する目標は大きく2つある。「持続可能な開発目標(SDGs)」と「パリ協定」だ。前者は国連サミット、後者は国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された。パリ協定には長期目標もあるが、いずれも2030年を当面の期限としている。それらの目標達成に、少なからぬお客様の支持とともに貢献したいと考えるのは誤りではないだろう。
  
 ここで世界が共有している2つの目標について概略をさらっておこう。
 国際社会では環境問題だけではなく、貧困や飢餓、格差の拡大、都市への人口集中など社会的、経済的な課題も深刻化している。それらの問題を包括的に解決するため、2015年9月の国連サミットで採択されたのが「持続可能な開発のための2030アジェンダ」だ。そして、その中で示した具体的な目標が「SDGs」である。SDGsは、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するため、2030年を期限とする17の国際目標と169のターゲット、さらに232の指標を掲げている。
 もう1つの「パリ協定」は、各国で自然災害を拡大させている地球温暖化を食い止めるべく、原因となる人為起源の温室効果ガス排出削減を狙い、2015年12月のCOP21で採択された。55カ国以上の批准などの要件を満たし発効したのは2016年11月。全参加国が自主的な目標を設定し取り組むことで、産業革命前と比較した平均気温の上昇を2℃(できる限り1.5℃)に抑えるという目標を掲げている。
   
 SDGsでは17の国際目標の7番目にエネルギー、13番目に気候変動がある。その中の詳細を示すそれぞれのターゲットには、2030年までに世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる、気候変動に関する教育や人的能力などを改善する、といった内容が盛り込まれている。
 パリ協定で世界に約束した日本の目標は、温室効果ガスの排出量を2030年に2013年度比で26%削減、2050年には同80%削減することだ。この目標は、政府が設定した「長期エネルギー需給見通し」などを踏まえ決められたもので、そこには年率1.7%の経済成長を実現したうえで、35%のエネルギー消費効率改善(1970〜1990年のオイルショック後に日本が達成した実績と同等の改善値)が見込まれている。

 世界全体のエネルギー効率倍増や、いまだ国際社会から称賛の声が聞こえるオイルショック後の省エネと同等以上の取り組みなど、いずれも容易に達成できる目標ではない。
 だが困難とわかっていてもエネルギー分野の一端で「電気をつくる」「電気をまもる」「電気を賢くつかう」を柱にする当社は、何らかの貢献をしたい。1社単独の活動では小さな成果しか出せないが、今は全国のお客様とともに取り組めるネットワークがある。その思いをとげるためにも、これまで授かった多くのありがたいご支持に報いる行いを進めていく考えだ。