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滋賀県近江八幡市

人口82,432人※2013年12月1日現在
面積177.39km²
市HPhttp://www.city.omihachiman
.shiga.jp/

近江八幡市ニューストピックス

2014/1/20
本編を公開いたしました。
2013/11
取材を行いました。

特別企画 ニッポン 環境教育探訪

近江八幡市では、市内の小学校、中学校、高校において、先進的な環境教育を実践している。そして市内のいくつかの小学校は、滋賀県より「エコスクール」に認定され、重点的に取り組みを行っている。「エコスクール」とは、将来の社会づくりの主役となる子どもたちが、環境学習や環境保全活動に取り組む力を身につけることを目指すプロジェクト。今後の活動へのつながりがあること、地域と連携して活動が行われていること、そして子どもたちが主体的に取り組んでいること。この3つを重要な視点と捉え、取り組みを進める。

近江八幡市立安土小学校


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探検船上で笹舟を作り
楽しむ様子
2010年度の環境モデル校に認定された市立安土小学校は、校区内に安土城跡、県内最大の前方後円墳である瓢箪山古墳などをはじめとする多くの歴史遺産や、琵琶湖岸最大の内湖である西の湖などがあり、自然環境に恵まれている。その好条件を活かし、学校教育目標「『自ら学びたくましく生きる』安土っ子の育成」を目指し、全学年を通して環境学習に取り入れている。中でも、4年生が行う「西の湖探検学習」は、10年以上続く取り組みであり、安土小の環境学習の中核を担っている。この学習活動では、西の湖の豊かな自然の中での探検学習や、付近に自生するヨシの学習を通し、子どもたちが気付き感じた西の湖の良さを、地域の人に伝えていくことを狙いとしており、体験を重視しながら自主性を養う授業となっている。子どもたちは探検船に乗り込み、湖の真ん中で貝を捕り観察したり、ヨシで笹舟をつくったりして、自然との時間を過ごす。学校へ戻った後は、湖の水質調査などの活動を経て、各グループが課題として調べた事を発表し、締めくくられる。

近江八幡市では「しが環境教育リーディング事業」の指定を受けて、持続可能な社会の実現に向け、4つのテーマで小・中・高校が連携して研究実践を進めている。事業名の「リーディング」とは、滋賀県の環境教育を“リード”するという意味である。近江八幡市では「人とエネルギー」をテーマに市立島小学校、市立老蘇小学校、市立八幡中学校、県立八幡工業高等学校の4校がこの事業に参加し、取り組みを行っている。

近江八幡市立島小学校


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木の温もりあふれる
明るい教室
全校児童94名の島小学校の校区は、近江八幡市の北部に位置し、西は琵琶湖に面し、水辺、ヨシ原、水田、里山、そして集落が奏でる情緒あふれる水郷風景が広がっている。2013年8月に竣工した新校舎は、次世代の子どもたちに、より良い環境で学ばせたいという思いで作られた環境配慮型の校舎で、文部科学省の2012年度の「エコスクール」に認定されている。文部科学省の「エコスクール」は、滋賀県が認定する「エコスクール」と違い、環境を考慮して整備された学校施設に対し認定する。
全て南向きに配置された各教室の内装には木を多用し、子どもたちに優しく、温もりのある空間を作り出している。校舎には窓が多く設けられ、自然光や自然風を積極的に取り込んだ。雨水タンクを用いた水資源の再利用、屋上に設置されたソーラーパネルや「アースチューブ」と呼ばれる地中熱を利用した空調負荷の低減と、自然換気の拡大を図るなどの先進的技術も取り入れ、環境小学校に相応しいつくりとなっている。ぴかぴかの校舎に子どもたちも喜びの声をあげ、学習環境が整った。
島小学校もまた、全学年を通して環境学習に取り組んでおり、周辺の恵まれた自然環境を積極的に活用している。「島アドベンチャー」と題したイベントでは、全校生徒が縦割り班をつくり、小学校から奥島山を登り、琵琶湖沿岸部の宮ヶ浜までの道のりを歩く。山登りの過程で自然を肌で感じられることはもちろん、高学年が低学年の世話をし、協力し合う精神も学ぶことが出来る。その他3年生は、「ヨシ学習」4年生は「菜の花学習」5年生では「田んぼの子学習」と学年ごとの体験学習も行い、子どもたちが地域の良さを再認識できるよう努めている。


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県立八幡工業高校の
教員、生徒による「廃食油からつくった
バイオディーゼル燃料で
ゴーカートを走らせる」出前授業も体験
「人とエネルギー」をテーマにした環境学習でも、体験を通した授業を実践している。各学年それぞれが、風や水、日光などの身近なエネルギーを使い、利用方法やその効果について考える。子どもたちが、地球問題を自分自身の問題だと感じることで、持続可能な社会の実現につながっていく。今後も“1人の100歩よりも100人の1歩が大事”という信念のもと、行動することのできる、また、考えることのできる子どもの育成に注力している。

取材協力:近江八幡市、近江八幡市教育委員会、NPO法人 エコ村ネットワーキング、近江八幡市立島小学校、近江八幡市立安土小学校、滋賀県立八幡工業高等学校
記事公開日:2014年1月20日

編集後記 街角にて

取材後、市のシンボル「八幡山」へ行ってきました。八幡堀近くの麓から、ロープウェーであっという間に頂上です。八幡城跡が残る頂上からは、遠く広がる琵琶湖を臨むことが出来ます。11月下旬ということもあり、ピークは過ぎてしまいましたが、紅葉もとても美しく、自然と歴史を感じる散策となりました。

(左)八幡山から臨む琵琶湖(右)色づく木々

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