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富山県富山市

人口421,530人 ※2013年2月末現在
面積1,241.85km²
市HPhttp://www.city.toyama.
toyama.jp/
備考環境モデル都市(2008年認定)
環境未来都市(2011年認定)
環境市場新聞32号掲載

富山市ニューストピックス

2013/4/2
本編を公開いたしました。
2012/11
取材を行いました。

次世代路面電車 コンパクトシティを快走


富山市中心部の様子
富山県の中央部に位置し、日本海側有数の中核都市として、また県庁所在地として発展してきた富山市。2005年、7つの市町村が合併し新・富山市となり、県庁所在地の中では全国2番目の総面積となった。人口は富山県全体の約4割を占め、海抜0mから2986mまでの多様な地形を持ち合わせている。
しかし、その広大な面積と、富山市民の持ち家志向の高さから市街地は薄く広く拡大し、その結果、自動車に依存した街となった。富山県の世帯当たりの乗用車保有台数は1.72台と全国第2位。市内の交通手段も自動車が圧倒的な数を占めた。自動車への過度な依存は、公共交通の衰退を招き、路線バスや鉄道などの利用者は大幅に減少、高齢者や自動車を運転しない人には住みにくい街となってしまった。当然、二酸化炭素(CO2)の排出量も増加していった。
この状況を打破するため、富山市は世界に先駆けた「低炭素社会」への転換を進め、都市や交通のあり方を根本的に変えることを決めた。富山市が目指したのは、「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトシティ」。拡散した都市機能や住宅地を集積し、公共交通を活性化させる。自動車依存からの脱却を図り、CO2の排出削減につなげる。

LRTの誕生


富山市の顔となった「ポートラム」
そうした基本方針が打ち出されたのと同じころ、富山駅の大規模改修工事に向けた着工準備も進められている最中だった。2015年春に北陸新幹線が金沢まで延伸するのに伴う事業だ。当初は新幹線と併せて既存の在来線も一緒にホームの高架化をする予定だった。だが、在来線の一つJR富山港線は、乗客の減少が続き、その存続の可否も検討の対象。それならば、多額な費用をかけてホームを移設するより、新しい公共交通としてよみがえらせ、利便性の向上を図るほうがよいのではないか。そんな議論の末に誕生したのが、全国初の本格的なLRTシステムを導入した富山ライトレール(愛称:ポートラム)である。
LRTとは、"Light Rail Transit"の略で、〝次世代型の路面電車"とも訳される。車両の低床化や、停留所のバリアフリー化などが施され、高齢者にも優しい交通システムである。
開通に際しては、停留所の増設、運行本数の増便もなされた。今ではJR富山港線時代と比べ、利用者は平日で約2.1倍、休日では約3.6倍にもなる。また利用者の約12%は自動車から転換した乗客だった。
目論見のとおり環境負荷の軽減は果たされた。それだけでなく、沿線の観光施設などには入館者が増え、沿線の新規住宅着工数も増加。街の活性化が促されている。
富山ライトレールは、富山駅の北側を起点とし日本海沿岸部の岩瀬浜までを走行するが、富山駅南側にも別の路面電車が走っている。富山地方鉄道の路線(愛称:セントラム)だ。中心部での環状線化が実現したこの路線でも低床化した車体を導入し、LRT化が進められている。北陸新幹線の開業、そして富山駅の在来線のホーム移設が完了した後には、富山ライトレールと富山地方鉄道の南北の路線を接続させる構想も、実現に向けて動き出しているところだ。

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