ECO Books

環境市場新聞編集部が厳選した本を紹介していきます。
気になった本があればぜひ手に取ってみてください。
環境問題について一緒に考えていきましょう。

アル・ゴア 著/枝廣 淳子 訳

不都合な真実2

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温暖化対策 活動参加への呼びかけ
 約10年前、映画と書籍で発表された『不都合な真実』。この作品および著者である元アメリカ副大統領アル・ゴア氏の積極的な啓発活動によって地球温暖化の危機的状況は世界に広く認知された。その功績によりゴア氏は2007年のノーベル平和賞を、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と共同で受賞した。本書はその続編だ。前作同様、2017年11月公開の映画『不都合な真実2:放置された地球』と対をなす。
 前作から10年。温暖化による影響はより深刻さを増した。本書前半では、高温で溶け出した道路の舗装(インド)、スーパー台風で破壊された町(フィリピン)、北極付近で氷が解け水面下から噴き出すメタン、といった写真を交え、現状を紹介する。
 だからこそ、一人ひとりが動き出そうと呼びかける。本書後半は個人ができる活動を列挙する。対話集会に出席し議員に意見を述べるなど、日本社会の慣例とは多少異なる事例もあるがヒントにはなる。そして、そうした活動はきっと実を結ぶという希望も載せる。15年前に予測された世界の風力エネルギーは「2010年までに30GW増」が最善とされたが「2016年までに、その目標の16倍に達した」(141頁)。実績は487GWだった。必要な解決策は目の前にあり、それは急速に拡大している。

人類と気候の10万年史

実業之日本社 2,800円+税
アル・ゴア
1948年3月31日生まれ。テネシー州ナッシュビルに居住。ジェネレーション・インベストメント・マネジメント社の共同創立者兼会長。クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ社のシニア・パートナー、アップル社取締役。気候の危機を解決するための非営利団体、クライメート・リアリティ・プロジェクトの会長として時間の大半を費やしている。