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生物多様性レポート

生物多様性を維持していくために私たちに何ができるのか、
その可能性を探るコーナーです。

生物も食文化も多様性が
大切シカ肉料理で獣害対策

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アイディア研究舎代表の林真理さん。
アイディア研究舎代表の
林真理さん。

 兵庫県森林動物研究センター調べによると2011年度・同県の野生動物による農林業被害でシカによるものは4億3600万円と約半数を占めた。「被害対策でシカは主に殺処分されています。尊い命を無駄にしないためにも食用し自然界のつながりを保ちたいと思い、2012年にシカ肉料理専門の〝愛deer料理教室〞を開講しました」。とアイディア研究舎(兵庫県宝塚市)・代表の林真理さんは話す。
 かつてシカは乱獲などにより個体数が激減した時期があった。政府は1950年頃から保護政策を実施し、長くメスの狩猟禁止の措置をとった。そうした政策や狩猟人口の減少などが重なり、繁殖力の高いシカは増加し続け、1990年代には全国で農林業被害が拡大した。
 特にシカの増殖が著しかった兵庫県では獣害対策の研究が進み、農産物被害を防ぐ活動が盛んだ。だが、課題は捕獲したシカの処理である。同県では毎年4.5万頭も捕獲される。
 林さんは以前、民族学博物館に勤務し、世界の食文化に知見があった。その後、メディアでシカの増殖による森林荒廃や農産物被害について度々目にする機会があり、イギリスで食べたシカ肉料理を思い出したという。本来シカは栄養価が高く縄文時代から食されていたが、数の減少や保護政策の間に、その文化が薄れてしまった。そこで林さんはシカや自然環境の現状を身近に感じられるきっかけをつくろうと料理教室を始めた。「ほとんどのメニューはカレーやチンジャオロースなど家庭で実践できるもの。シカ肉料理は珍しく、これまで生徒さんは約900人も。食に新たな選択肢を提供できました」。

シカ肉を食材にする「愛deer 料理教室」の様子。
シカ肉を食材にする「愛deer 料理教室」の様子。

 今は学校や公民館でも講演や料理を提供する。シカ肉をはじめヘルシーな加工品を製造し、ネットや地元のサービスエリアで販売もしている。
 これまで最も苦労したのはシカを食品メーカーに扱ってもらえなかったこと。食文化がなく、安全性も疑われた。そこでシカ食文化に関する本の執筆やX線検査なども実施し、地道に信用を築いていった。今では小学校の給食にシカ肉を使ったコロッケを提供するまでになった。「皆さんに豊かな自然の証しである天然の味を知ってほしい。食をはじめ多様な文化が共存する社会は、生物の多様性にも富んでいます。シカを食べることで、環境や動物について考えるきっかけをつくっていきたい」。

こぼれ話 こぼれ話


 同社では鹿肉以外にもヘルシーな加工食品を開発しています。取材後、実際にネットや地元のサービスエリアで販売している「ひよこぜんざい」をいただきました。こちらはごろっとしたひよこ豆と金時豆に、宝塚産のダリアのエキスを加えてつくられているそうです。程よい甘さで食べごたえがありました!
林さんは「平成30年7月豪雨」による被災地にひよこぜんざいを提供し、栄養が偏りやすい食生活をサポート。被災時はストレスなどにより便秘を発症する傾向が高く、豊富な食物繊維を摂取してもらうことで、皆さんの健康維持に役立ちたいと考えたといいます。
冷やしてアイスクリームを入れたり、温めて白玉を入れたりすると、よりスイーツ感覚で食べられます。ぜひ試してみてはいかがですか♪
https://aideer.shopselect.net/

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