エコニュースWebマガジン > 環境市場新聞 > 環境市場新聞アーカイブ > でんでん・みと情報
日本テクノ協力会・日電協の水戸グループでは、猫の語り口が特徴のオリジナル情報誌「でんでん・みと情報」を定期的に発行しており、環境市場新聞では毎号のダイジェスト版を掲載しています。最新号やバックナンバーは右のバナーからダウンロードできます。

日本発!! 夢の光が未知の世界を照らす

アンダーバー

 吾輩は電気管理技術者の親方たちに飼われている猫の〝でんでん〟である。電気管理技術者とは、変電所の点検などを行う者であるから、いわゆるデスクワークが主業務ではなく、現場での作業に時間を費やすことが多いはずである。ところが、ここ2、3日、パソコン画面をにらみつけ、うんうんうなりながら、ときどき思いついたようにキーボードをパチパチたたき、事務仕事のまねごとを続けている親方がいる。そういえばこの親方、年に数回、このような姿でときにはあぶら汗を流しながら、パソコン画面の前で固まっている。その時期には、ふだんはやかましいほかの親方たちも、声を掛けずにおとなしくしているようだ。
 それほどまでして、この親方は何をつくっているのか。吾輩が画面をのぞくと、そこにはこんな文章がずらずら並んでいた。
 「親方X線自由電子レーザー施設SACLA(さくら)の稼働が始まった。ここでつくられる光は、今まで見えなかった原子の細かい動きまでも照らすことができる〝夢の光〟だ。例えばこれを利用すれば、これまで謎だった、植物の光合成で水が分解されるメカニズムの解明も期待できる。そうすれば、水と光だけで水素ガス燃料やガソリンも合成できるかもしれない。 でんでんそんなこと信じられないね。親方でんでんクン。だからこれは大革命なんだよ」
 なんと吾輩が登場しているではないか。文書の題名と思われる記載もあり、そこに『でんでん・みと情報 第50号』とある。ここにも吾輩の名を使っているではないか!これを50回も出し続けていたのか。人間様の考えることは何とも奇っ怪だ。
 まぁこの親方は、吾輩の高い知性にあやかりたいという殊勝な気持ちであったのだろう。これまで50回もあぶら汗を流しつつ継続してきた心根に免じて、吾輩は大目に見てやることにした。