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日本テクノ協力会・日電協の水戸グループでは、猫の語り口が特徴のオリジナル情報誌「でんでん・みと情報」を定期的に発行しており、環境市場新聞では毎号のダイジェスト版を掲載しています。最新号やバックナンバーは右のバナーからダウンロードできます。

開業2カ月で来場者1000万人突破!!

アンダーバー

 吾輩は電気管理技術者の親方たちに飼われている猫の〝でんでん〟である。日中の吾輩は、たいてい事務所の片隅で午睡する。通常の会話でも声のボリュームを抑えられない親方たちが出払っているからだ。彼らが戻る夕方までは静かに過ごせる。
 その日も吾輩は、おだやかな安眠を楽しんでいた。そこへ吾輩が「物書き殿」と呼ぶ親方が帰ってきた。物書き殿は、吾輩の名を無断使用した『でんでん・みと情報』なる奇っ怪な媒体の制作者。先日、吾輩はその奇行に気づいたが、大目に見てやることにした。だがそれ以来、吾輩に対する物書き殿の態度がおかしい。人間様が遠慮や気づかいと呼ぶような行いを、吾輩にする。
 「でんでんさん、今回はこんな感じになります」と物書き殿は、吾輩の鼻先に10枚ほどの紙を差し出す。『でんでん・みと情報 第51号』だった。ちらっと見ると、
「親方すごい場所に行ってきたよ!!でんでん興奮してるね。どこに行った?親方東京スカイツリーだ。展望台に上がるまで3時間も待たされたよ。でも、あの人気は納得できるね。高さ634㍍の世界一のタワーで、日本の技術力の粋を集めなければできなかっただろうね。タワー部分の事業費は650億円。延べ58万人が建設作業に携わったそうだ。重量は東京タワーの10倍もある3万6000㌧。商業施設も含めた東京スカイツリータウンには、開業2カ月で1029万人の来場者があったと発表されたよ」
 どうやら今回は、見物に行ったばかりの東京の新名所に関する情報らしい。設計士の苦労話やエレベーターの速度、公式キャラクターの解説まで調べて書いたようだ。
 だが吾輩は、安眠を楽しんでいた最中。遠慮や気づかいなどは不要なのだ。だから「にゃあ」と言って、その場を去った。きっと物書き殿は「にゃあ」を「内容は承諾した」の意味にとるのだろう。