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日本テクノ協力会・日電協の水戸グループでは、猫の語り口が特徴のオリジナル情報誌「でんでん・みと情報」を定期的に発行しており、環境市場新聞では毎号のダイジェスト版を掲載しています。最新号やバックナンバーは右のバナーからダウンロードできます。

海ほたるやマラソンも発電所見学報告のうち

アンダーバー

 吾輩は電気管理技術者の親方たちに飼われている猫の〝でんでん〟である。ここの事務所を利用する親方たちが総勢何名いるのかは、吾輩のあずかり知らぬところ。だが単独のときであろうが、複数人集まる場面であろうが、吾輩の安眠を妨げる声量が発せられるのは同じである。
 皆が異常なほど大声で話す。単独であっても電話に向かえば10人分のごう音である。よって午睡時に親方が1人でも居れば、吾輩はこの場を去ることにしていた。
 だが逃げてばかりでは能がない。仲間内ではチャレンジャーとの異名をとる吾輩である。一度は騒音に耐え、親方たちの会話を理解してやろうと試みた。
「日本テクノ袖ケ浦グリーンパワーを見学した」
「11万kW、自社電源の発電所か!」
「そうだ!! 今日はその報告をしようと思う」
「袖ケ浦なら、東京湾アクアラインの海ほたるパーキングエリアも見えただろ」
「ああ、見えた。寄ってもきた。海ほたるは全長約650㍍、全幅約100㍍もある人工島だ。延べ床面積は約3万8000平方㍍で5階建て。普通車の収容台数は約400台!」
「おお!! しかし、あのアクアラインの海底トンネルもすごいな」
「それなら、俺が知ってる! 掘削はシールド工法だ。使われたシールドマシンは直径14・14㍍。世界最大級!」
「ドーバー海峡のユーロトンネルにも、日本のその技術が使われていることを忘れちゃいかん」
「忘れちゃいかんのは、アクアラインのマラソンだ。2012年10月の『ちばアクアラインマラソン』では公務員ランナーの川内優輝さんが2時間17分48秒で優勝した」
「マラソンなら、俺にまかせろ。マラソンの起源はだな……」
 このあと話題は天然ガスに移り、ガスエンジンのうんちくをかすめ、2時間後ようやく発電所見学の感想に至る。吾輩はチャレンジャーの異名を返上しようと決意した。