人口 | 105,869人※2013年5月31日現在 |
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面積 | 658.73km² |
市HP | http://www.city.iida.lg.jp/ |
備考 | 環境モデル都市(2009年認定) |
飯田市ニューストピックス
- 2013/8/5
- 本編を公開いたしました。
- 2013/6
- 取材を行いました。
おひさまとつくる自立都市
市街地から臨む南アルプス 長野県最南部に位置し、人口約10万6000人の飯田市。江戸時代には、飯田藩の城下町として栄え、現在では南信州最大の自治体となった。
1947年4月「飯田の大火」と呼ばれる大火災が発生し、当時の市街地の約7割が焼失した。翌年からすぐに復興が始まり、「ノーモア大火」を合言葉に、大火の反省を活かした街づくりを目指した。住民は私有地の裏側1㎡ずつを無償提供し、防火帯の役割を持つ「裏界線」と呼ばれる細い路地作りに貢献した。地元の中学校の生徒たちは大火後「自分たちの手で美しい街をつくろう」と40本のりんごの木を植樹し、現在市のシンボルとなっているりんご並木を作り上げた。このりんご並木は、現在でも地元の生徒が管理を行っている。
このように「市民自らが創り、自らが守り育てる」まちづくりが飯田市の原動力であり、成長を後押ししている。
環境モデル都市に選定
元来、自然に恵まれた環境にあった飯田市だったが、市民の環境に対する意識は高まりをみせていた。それを受けて、飯田市では環境を人類共通の課題と認識し、街全体での地球環境保全活動に取りかかった。2007年には環境文化都市宣言を行い、人も自然も輝く文化経済自立都市の理念に基づき、産業づくり、地域づくり、人づくりを実践している。2009年には、国から環境モデル都市に選定され、環境先進都市として一歩一歩、着実に歩を進めている。
おひさまの力を活かして
南信州おひさまファンドの仕組み
年間日照時間、年間日射量が多く、太陽の恵みを多くうける飯田市では、太陽エネルギーを使った、特色ある太陽光発電普及事業を推進している。
2004年12月、NPO法人南信州おひさま進歩が母体となり「おひさま進歩エネルギー有限会社(現・株式会社)」が設立され、日本初となる太陽光の市民出資ファンド「南信州おひさまファンド」が立ち上がった。
市民から出資を募り、それを元手に、事業主体であるおひさま進歩エネルギーが保育園、公民館、児童センターなどの公共施設に無償で太陽光パネルを設置。公共施設で発電され余った電力は、中部電力に売電し、公共施設は売電収入を得る。公共施設で発電した電力は全量おひさま進歩エネルギーに支払い、そして最後に、利益分配金を市民が受け取るという仕組みだ。市が公共施設の屋根を提供することで実現したこの取り組みは、市民の投資が環境負荷低減の貢献に直結するとあって、のべ476名から満額の2億150万円を集め、募集は終了した。結果、保育園など38カ所に太陽光パネルを設置し、発電容量の合計は208kWとなった。2007年には、第1回目となる現金分配が計画通り実施された。その後、新たに「おひさまエネルギーファンド株式会社」が設立され「温暖化防止おひさまファンド」を募集、653名から4億3430万円が集まった。2009年3月、3カ年のこの事業は無事完了し、太陽光パネルは南信州地域を中心に160カ所以上に設置された。
2011年に稼働開始した
「メガソーラーいいだ」
2010年1月には、初期投資の負担なく家庭に太陽光パネルを設置する「おひさま0円システム」の募集も始まった。このシステムでは、おひさま進歩エネルギーが初期投資0円で太陽光パネルを住宅の屋根に設置。住民は、9年間月々約2万円弱の料金を支払い、売電収入を受け取る。そして10年目には太陽光パネルが住民へ無償譲渡されるというものだ。特色あるこの制度は、太陽光発電の普及を後押しする形となった。
また、太陽光パネル設置のための助成制度も継続して行っており、2013年度の制度では、1kWあたり20000円(上限6万円)の助成金が、国の補助金と併用して受け取ることが出来る。
市民ファンドやパネル設置助成制度などを通して、太陽光発電の導入を積極的に行ってきた結果、2012年度には、助成件数は約2100件、世帯普及率は5%を超えた。
市内には、メガソーラーも稼働。「メガソーラーいいだ」は、飯田市と中部電力との共同事業による施設であり、中部電力管内では稼働第1号となった。今後もエネルギーの地産地消を目指し、他の地域に頼らない、自立したエネルギー事業を展開していく。