人口 | 105,869人※2013年5月31日現在 |
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面積 | 658.73km² |
市HP | http://www.city.iida.lg.jp/ |
備考 | 環境モデル都市(2009年認定) |
飯田市ニューストピックス
- 2013/8/5
- 本編を公開いたしました。
- 2013/6
- 取材を行いました。
知恵と技術がつまったエコハウス
信州飯田エコハウス外観
市中心部にある復興のシンボル、りんご並木沿いには「信州飯田エコハウス」が構える。エコハウスとは、地域の気候風土や敷地条件、暮らし方に対応した自然エネルギーの活用や、地域の材料を積極的に導入するなどして、環境負荷のかからない住まいづくりを目指した住宅のこと。環境省が全国の20自治体を選定し、「21世紀環境共生型住宅のモデル整備による建設促進事業」として取り組みを行っている。エコハウスの普及に努めることにより、増加傾向にある家庭からのCO2排出量を減少させ、低炭素社会の構築を実現する。
「環境基本性能の確保」「自然・再生エネルギー活用」「エコライフスタイルと住まい方」の三つのテーマを基本的な考えとして建設されているエコハウス。飯田市の最大の特徴である50℃を超える年較差に対応するため、全天候型住宅として様々な技術と工夫が、随所に散りばめられている。
エコハウス内部
居心地の良い空間が広がる
例えば夏期には、風の流れを計算して設計された開口部から、卓越風を直接取り込み、室内を涼しくしたり、地上の熱を地中に放出し、冷房として活用する。室内に入る日差しは、日射遮蔽に効果のあるガラスやブラインドなどを設置しシャットアウト。雨水貯留タンクは、打ち水に有効利用され、災害時には、給水の役割を果たす。冬期には開口部から日射熱を取り込み、蓄熱して夜間に利用。地中の熱は暖房として活用する。また、床、壁、天井などは断熱化し、自然室温を維持し、適時適温を実現している。補助暖房には地域産の間伐材を木質バイオマスエネルギーとして活用したペレットストーブを利用、室内のインテリアでも、地域産木材を積極的に取り入れ、地産地消にこだわった。その他、太陽光発電や省エネルギー機器の導入、バリアフリーやLED照明の採用など、至る所で環境を考えた配慮が施されている。
オープンから丸3年がたち、これまでに3万人が見学に訪れた。エコクッキング教室など、様々なイベントも開催され、参加者が環境について考える機会を提供している。
太陽光、水、風などの自然を上手に利用したエコハウス。機能や設備は万全だが、この住居を本当の意味で「エコハウス」にするのは、他ならぬ住民だろう。風の流れや太陽の光を感じて窓を開け閉めする。夏の暑い時期には打ち水をして涼を得る。日々の気候や季節の移り変わりを住民自身が意識することで、エコハウスを最大限に活用することが出来るのだ。
市域の84%が森林に覆われている飯田市では、木質バイオマス事業も展開。2004年には、民間企業5社による「南信バイオマス協同組合」が設立し、間伐材による木質ペレットの製造、地域へのエネルギー供給などを通し、エネルギー危機問題、地球温暖化問題への対応を見せている。
豊富な森林地帯や太陽光に恵まれている飯田市。この自然やこれまで培ってきた経験を後世に残すため、飯田市の取り組みを全国へと発信していく。
取材協力:飯田市・信州飯田エコハウス
一部写真提供:飯田市
記事公開日:2013年8月5日
文中にも登場した「りんご並木」は、市内中心部に400mほどのびる並木道です。近年では、日本の道100選にも選ばれるなど、飯田市のシンボルとなっています。写真の木は、50年木「紅玉」。50年もの間、市民に大事に育てられ、今もなお美味しいりんごを実らせています。
(左)50年木「紅玉」(右)6月の取材時はまだまだ青い実