人口 | 1,768人※2014年7月1日現在 |
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面積 | 109.68km² |
市HP | http://www.kamikatsu.jp/ |
上勝町ニューストピックス
- 2014/9/1
- 本編を公開いたしました。
- 2014/6
- 取材を行いました。
ゼロ・ウェイスト宣言~2020年に向けて~
上勝町が水源の勝浦川徳島県の中部に位置する上勝町。面積の90%近くを山林が占める自然溢れる、四国で一番小さな町である。多くの小規模自治体と同様、過疎と高齢化が進んでおり、人口は1,700人あまり、高齢化率はおよそ50%にのぼる。
2003年9月、上勝町は日本の自治体で初となる「ゼロ・ウェイスト宣言」、及び「上勝町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)行動宣言」を行った。この宣言は、上勝町にとって大きな転機となり、以後、“環境先進地”として全国から注目を集める町へと成長を遂げていく。
ゼロ・ウェイスト宣言までの歩み
「ゼロ・ウェイスト」とは、「無駄、浪費、ごみをなくす」という意味の言葉で、1996年にオーストラリアの首都・キャンベラで始まったごみ施策の考え方。2003年7月に上勝町を訪問したアメリカ・セントローレンス大学教授、ポール・コネット氏によって、町に紹介された。
宣言では、2020年までに上勝町のごみをゼロにすることを決意し、「地球を汚さない人づくりに努めること」「ごみの再利用・再資源化を進め、焼却・埋め立て処分をなくすために最善を尽くすこと」「地球環境をよくするために世界中に多くの仲間を作ること」の3つの事項を盛り込んだ。
元々上勝町では、20年以上前からごみ処理に対する取り組みを積極的に行ってきた。1991年には生ごみを堆肥化する「コンポスト」の購入補助を開始、1995年には「電動式生ごみ処理機」の購入補助が始まった。1997年からは、容器リサイクル対象品を9品目に分別した収集がスタートした。
この頃までは野焼きによるごみ処理を行っていたが、1998年から小型焼却炉へと移行。分別は一気に22種類に増加した。その後、ダイオキシンの発生による環境や健康被害の観点から、2000年末に小型焼却炉を閉鎖。そして2002年からは、現在まで続く、ごみの“34分別”が始まり、その後の「ゼロ・ウェイスト宣言」へとつながっていく。
34の高度分別
日比ヶ谷ゴミステーション
上勝町では、ごく一部の燃やすごみを除き、家庭から排出されるごみは「資源」へと生まれ変わる。「コンポスト」「電動式生ごみ処理機」の購入補助により、家庭から必ず排出される「生ごみ」は、全量各家庭で堆肥化し、土に還る。生ごみ以外のものは、各自洗浄後、町内に唯一あるごみ・資源集積所「日比ヶ谷ゴミステーション」へと持ち込み、分別を行う。このゴミステーションは、年末年始を除き、毎日朝7時~14時まで開放されており、住民の都合のいい時にごみを持ち込むことができる。作業員も常駐しているため、分別がわからない時には直接聞くことも可能だ。ごみは持ち込みが基本のため、ごみ収集車の巡回は行っていないが、高齢者など自力でゴミステーションへ行くのが困難な場合は、NPOが戸別収集にも対応する。ごみを住民自らが分別することにより、リサイクル意識が高まるだけでなく、リサイクル費用の抑制にもつながっている。
上勝町の分別表
他の自治体では類を見ない34分別だが、今では日常生活の一部となっており、それを証明するかのように、住民の自発的な分別も加わり、現在では実質56分別となっている。
徹底的なごみの分別により、リサイクル率は約6割まで増加しており、2020年の目標達成に向け、確実に歩を進めている。