人口 | 1,768人※2014年7月1日現在 |
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面積 | 109.68km² |
市HP | http://www.kamikatsu.jp/ |
上勝町ニューストピックス
- 2014/9/1
- 本編を公開いたしました。
- 2014/6
- 取材を行いました。
2つのリユース推進拠点
くるくるショップ店内
様々な品が並ぶ
2020年のゼロ・ウェイスト達成に向け、上勝町では「リサイクル・リユースの推進による焼却・埋め立てごみの削減」「ごみになる物を買わない、使わない」「生産段階から、処理に困らない製品をつくることを求める」この3つを念頭に置き、ステップアップを図っている。
その考えを体現している施設が、ゴミステーションの一角にあるリユース推進拠点「くるくるショップ」だ。不要品を町内で“くるくる”まわしてリユースを進めるこの施設では、上勝町民なら誰でも自由に不要品を持ち込み、店内に陳列することが出来る。衣類、食器をはじめ、子ども向けのおもちゃや雑貨、電化製品など持ち込む品は多岐にわたり、それらの品は町外の人も含め、誰でも無料で持ち帰ることが出来る。町民の利用はもちろん、町を訪れた外国人にとっては、日本のおみやげが無料で手に入るとあって喜ばれている。くるくるショップでは年間約6トンのゴミ削減に貢献している。
くるくる工房
鯉のぼりを使った
アイテムが人気
そして、ゴミステーションに隣接する上勝町介護予防活動センター内には、もうひとつのリユース推進拠点「くるくる工房」が立地する。
2007年にオープンした「くるくる工房」は、町内で不要になった衣類や布類などをリユースした商品を制作、販売している。工房開設のきっかけとなったのが、当時焼却ごみの量を圧迫していた布団だった。この布団を何かに活かせないかと、町おこしグループメンバーのおばあちゃんと町職員が考え出したのが、綿を打ち直して作られた「お座布団」。これをきっかけに、様々なものをリメークしていくこととなった。工房で作られる商品はどれもデザイン性豊かで、中でも上勝町のシンボルともいえる「鯉のぼり」を使ったカバンや風呂敷などは、くるくる工房の代名詞になっている。
上勝百貨店の開店
清潔感あふれる店内
好きな時に
好きな分だけ購入できる
2013年、上勝町にまた一つユニークな店舗「上勝百貨店」がオープンした。この店では、量り売りを中心とし、極力ごみを出さない「ゼロ・ウェイスト」の理念を取り入れている。60年ほど前まではごく一般的な売り方だった「量り売り」だが、時代と共に、パッケージ化され、過剰な包装で覆われるようになっていった。ものが売れれば売れるほど、その結果として排出されるのが「ごみ」である。量り売りは、衛生面には注意を払う必要があるが、余計なごみを出さないことに加え、自分が好きな量だけ買うことが出来るので、一人暮らしや少量だけ必要なお年寄りにも無駄のない買い物が出来る。多くの魅力がつまった理想的な売り方だ。店には、食品や調味料の他、洗剤なども量り売りを行っている。今後も上勝百貨店では、環境にやさしいものの売り方とともに、量り売りで生まれるコミュニケーションなどを通した買い物の「楽しさ」もあわせて発信していきたいと考えている。
ごみを「ごみ」としない上勝町の考え方は、地球環境に好影響を与えるだけでなく、「資源」という価値を見出し、収入として還元され、地域経済の発展、人口の増加にもつながっていく。また、この小さな町が、真剣に地球の未来を考え、果敢に行動に移すその姿は、他の自治体にも大きな影響を与えていることだろう。
ゼロ・ウェイストの達成目標は2020年。日本初の快挙となる日を楽しみに待ちたい。
取材協力:上勝町、一般社団法人 地職住推進機構
記事公開日:2014年9月1日
徳島駅からバスを乗り継ぎ、2時間半。たくさんの緑に囲まれた上勝町に到着しました。今回は「環境」にスポットをあてて紹介しましたが、この町にはもう一つ、特徴的な取り組みが行われています。それが、葉っぱビジネス「いろどり」です。これは、料亭などで料理に添えられる「つまもの」を栽培・出荷・販売する農業ビジネスで、商品が軽量で扱いやすい葉っぱが主であることから、高齢者や女性が積極的に参加しています。中には年収1,000万以上を稼ぐおばあちゃんもいるそうです。驚きですね。
取材後には、どうしても見たかった「棚田」へ。もちろん観光も楽しめる上勝町でした。
日本の棚田百選にも認定されている「樫原の棚田」