人口 | 1,451人※2014年2月1日現在 |
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面積 | 57.93 km² |
市HP | http://www.vill.nishiawakura. okayama.jp/ |
備考 | 環境モデル都市(2013年選定) |
西粟倉村ニューストピックス
- 2014/5/1
- 本編を公開いたしました。
- 2014/3
- 取材を行いました。
旧影石小学校の校舎を利用した
「森の学校」
適切な管理を行っている森林には付加価値が生まれ、西粟倉のブランドとしての可能性も広がりを見せている。2009年に西粟倉に設立された地域商社「株式会社西粟倉・森の学校」では、西粟倉産の木材を利用した製品の販売や、季節ごとの森林散策ツアー、木工体験などを開催し、人と西粟倉の森をつなぐ役割を果たしている。また、村と協働で、積極的にIターンの受け入れの仕組みづくりも行い、これまでに50名以上が西粟倉に転居してきた。Iターンの影響により、20代、30代が増加、高齢化の低下にもつながっている。
2009年度から進めてきた「一括管理」。現在までに約460名の森林所有者がこの取り組みに賛同し、合計950haの森林を管理するまでになった。今後村が目指す管理面積は、私有林3000ha。西粟倉の大切な財産である森林を守るため、賛同者の拡大を図っていく。
スマートタウンを目指して
大規模改修工事中の
小水力発電所
エネルギー自給率100%を目指したスマートタウン化への取り組みも着実に歩を進めている。西粟倉村は、森林資源だけでなく、水資源にも恵まれている。標高差があり、水量も多いため、水力発電に適していたことから、1966年に発電能力280kWの村営の小水力発電所が設立され、稼働を続けてきた。現在、大規模改修工事が行われており、改修後は発電能力が293kWに向上する見込みだ。2012年のFIT施行も追い風となり、売電収入は貴重な村の財源の一つとなっている。この改修工事を筆頭に、村内各地では整備、導入が進められている。
2011年度より電気自動車の導入を開始し、公用車としての利用が始まった。村内には2014年度までに6基のEV急速充電器が整備され、村民への波及にも期待がかかる。また、EV充電器そばには、マイクロ水力発電施設の整備を計画。EV充電器の電源として活用していくとともに、環境啓発を促す。その他、大型施設への太陽光発電設備設置や、林地残材を活用した木質チップボイラーの整備も実現に向け動き出しており、石油依存の小さい、中山間地域エネルギーモデルの確立を目指す。
2013年3月、中国地方、そして「村」自治体として初の環境モデル都市に選定され、これまでの取り組みが一つの結果となって表れた。
広大な森林面積をもつ西粟倉村では、CO2の吸収量がCO2排出量を大幅に上回っており、村の存在自体が環境にやさしいとも言える。しかし近年、人口の減少に対し、CO2排出量の減少につながっていない。一人当たりのCO2排出量が増加傾向にあるということだ。これを踏まえ、今後は森林の再生やスマートタウンなど、大型事業への取り組みだけでなく、村民一人ひとりのライフスタイルの見直しにも着目し、山と共に未来を歩んでいく。
取材協力:西粟倉村
一部写真提供:西粟倉村
記事公開日:2014年5月1日
ニッポン 環境都市探訪初の「村」取材となりました。最寄駅の「あわくら温泉」を降りると、森のいい香りが漂ってきます。本編でも述べたように、鳥取、兵庫、そして岡山からも特急を使えば、短時間でアクセスできる好立地です。50年後の西粟倉村は、どのような姿を見せてくれるのでしょうか。とても楽しみです。
(左)役場近くに設けられたEV急速充電器(右)間伐材から作られた割り箸