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復興都市探訪

宮城県東松島市

人口40,370人※2013年6月1日現在
面積101.86km²
市HPhttp://www.city.higashi
matsushima.miyagi.jp/
備考環境未来都市(2011年選定)

東松島市ニューストピックス

2013/8/19
本編を公開いたしました。
2013/7
取材を行いました。

「絆」を紡ぎ 未来へ


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JR仙石線不通区間は
バスが代行
宮城県中部にある人口約4万人が暮らす東松島市。2005年、矢本町と鳴瀬町の合併により誕生した。
2011年3月11日、東日本地方に大雪が降る中、東日本大震災は起こった。10mを超える大津波が、街の半分以上を飲み込み、多数の命を奪った。また、全世帯の約73%にあたる11,054棟が全半壊し、街は壊滅的な被害を受けた。2013年6月現在の東松島市民の死者は1,105人、行方不明者は26人にのぼる。
混乱の中、市職員は不眠不休で対応を行っていたが、物資不足や人手不足、ライフラインの断絶など、震災後、長きにわたり厳しい状況が続いた。
未曾有の大震災を経験した東松島市。“どんな状況下でも前を向いていかなければならない”そんな思いの中で、復興まちづくり計画は始まった。
復興計画の策定には、市と2,000人以上の市民が意見交換を行い、市民参画型の計画づくりを実行。震災以前から、自治協働のまちづくりが根付いていた東松島市では、震災後、自治組織による避難所の運営や、市内自治組織間で共助協定が結ばれるなど、市民力の高さを見せた。
津波で被災した1395世帯は、市内7カ所の内陸部、高台にある集団移転地へ新たに移転する予定だ。集団移転地は、2015年度中に全線再開が予定されている、JR仙石線の駅付近に設けられ、街のコンパクト化の促進により、高齢者や環境への配慮がなされている。

東松島方式の震災がれきリサイクル


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最終的な分別は
人の手で行われる
震災により発生したがれきは、約110万トン。この震災がれきを効率よく分別し、リサイクルするため、市では「東松島方式」と呼ばれる独自の手法を取り入れた。
まず解体時には、解体と同時に分別を行い、材質ごとに14品目に分けて搬出。次に、市内業者が所持する可搬型の重機等を活用し、一次処理作業を行う。最後に、手作業により土砂、ヘドロ、木材など19品目に分別する。鉄類、アルミなどは、入札の後に売却。がれき混合土砂は、遠心分離機にかけられ、分別した土砂は再生土として復興資材に活用される。これらの作業はほぼ全て市内で完結するため、搬出コスト削減や時間短縮につながっている。
このリサイクル方法により、97.2%のリサイクル率を達成。当初市が想定していた3年間の処理コストを、約208億円も削減することが可能となった。また、リサイクル関連で800人以上の被災者雇用も創出し、好循環サイクルを実現した。

環境未来都市に選定

2011年12月、環境課題や超高齢化社会、防災に対応した、持続可能な経済社会を目指す国家プロジェクトの一つ「環境未来都市」に東松島市が選定された。この選定は、街の「復旧」だけでなく、「復興」を目指す東松島市にとって、新しい街づくりの推進を後押しする出来事となった。
東松島市では、環境未来都市構想の実現に向け、早々にプロジェクトを始動。産・学・官・民が協働し、持続可能な地域経営モデルの実現を支援する組織として、「一般社団法人東松島みらいとし機構(愛称:HOPE)」を設立した。HOPEでは、復興まちづくり計画や環境未来都市構想の策定、改定を行い、また、カンファレンスの開催やWEBサイトの運営を通し、情報発信や市民啓発活動にも注力している。

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