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復興都市探訪

福島県南相馬市

人口64,293人※2013年7月1日現在
面積398.5km²
市HPhttp://www.city.minamisoma.lg.jp/
備考環境未来都市(2011年選定)

南相馬市ニューストピックス

2013/9/2
本編を公開いたしました。
2013/7
取材を行いました。

南相馬市の環境拠点


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南相馬ソーラー・アグリパーク事業
地域の基幹産業の継続的な発展を目指す「循環型地域産業の創造」では、南相馬を代表する画期的な取り組みが行われている。それが「南相馬ソーラー・アグリパーク事業」だ。「南相馬ソーラーアグリパーク」は、福島復興ソーラー株式会社が建設した500kWの太陽光発電所と、市が建設した植物工場からなる環境拠点施設。この太陽光発電所で創られた電気の一部は、同敷地内にある植物工場へと送られ、エネルギーの地産地消を体現している。また、植物工場では、レタスやホワイトセロリが生産され、全量をスーパーチェーンであるヨークベニマルが買取り県内外へと運ばれる。風評被害と闘う南相馬市を企業が後押ししている形だ。
このような設備環境を活かして、2013年4月から一般社団法人復興ソーラー・アグリ体験交流の会により、子どもたちを対象とした「グリーンアカデミー」と呼ばれる体験学習が行われている。

次世代を担う子どもたちに向けて


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実験の答えは
水の渦巻きをつくること
2013年7月24日、ソーラー・アグリパークが迎える初めての夏は、「再生可能エネルギー・サマースクール」の開講と共に始まった。スクール初日となるこの日は、市内外から36名の子どもたちが参加。南相馬市出身の復興ソーラー・アグリ体験交流の会・代表理事を務める半谷栄寿さんの授業から体験学習が始まった。授業は、水の入ったペットボトルを使用した、自然エネルギーの実験。どのようにすると、ペットボトルの水が勢いよく流れるのかを、子どもたち自らが考え、意見を出し合う。そして、みんなで一つの答えを導き出していく。実験に成功した子どもたちは、楽しそうに何度もペットボトルを操っていた。


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本物のソーラーパネルを
使っての体験学習
その後、屋外にある太陽光発電所へと移動。実際の太陽光パネルの前で、子どもたちは班に分かれ、巡視点検作業を行い、パネルに傷があるかなどを確かめ合った。発電所の隣では、日本で唯一の太陽光発電体験装置を使い、パネルの方角、角度を調整し、どの位置が一番発電するのか、パネルを動かしながら検証。みんなで協力し合いながら調節を繰り返し、最後に発電量が100Wを超えると、この日一番の歓声があがった。


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採れたての野菜で
サンドウィッチ
体験学習が終わると、敷地内の植物工場で採れたサラダ菜とホワイトセロリを使ったサンドイッチの昼食。ここでも地産地消のこだわりを見せた。
原町区から訪れた小学1年生の母親は、「チラシで知ってイベントに参加しました。子どもが楽しそうで、連れてきてよかった」と話す。相馬市から訪れた小学4年生の母親は「子どもの方から参加したいと言ってきた。私たちは震災を経験し、自然の怖さ、大切さを知っているので、大人にとっても勉強になる授業だった」と話した。

南相馬の復興への道のりはまだ始まったばかり。この先、誰もが暮らしやすい街にするためには、若い世代に街に戻ってきてもらうことも重要な課題の一つだ。そして、被災で苦しんだ経験も無駄にすることなく、復興モデルを世界へと発信していくことが、今後の南相馬市の役割となるだろう。

取材協力:南相馬市、一般社団法人復興ソーラー・アグリ体験交流の会
一部写真・イラスト提供:南相馬市
記事公開日:2013年9月2日


原発半径20km圏内を行く
南相馬市の中心部から車で約30分ほど、小高区へとやってきました。原発から半径20km圏内に位置するこの地域では、現在でも、定住する許可が下りていません。住民の方たちは、昼間の立ち入りが許される時間を使い、自宅の掃除やがれき処理などを行っています。町を見渡すと、未だに崩壊したままの住居が数多く残っていて、震災時から時が止まっているかのように見えました。車通りもほとんどなく、町からは活気も消えました。それでも、いつかまたこの町に帰ってこれると信じ、住民の方たちは作業を続けています。

崩壊したままの家屋(左)列車を待ち続けるJR常磐線小高駅(右)

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