人口 | 3,545人※2014年7月1日現在 |
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面積 | 644.20km² | 市HP | http://www.town.shimokawa. hokkaido.jp/ |
備考 | 環境モデル都市(2008年選定) 環境未来都市(2011年選定) |
下川町ニューストピックス
- 2014/10/14
- 本編を公開いたしました。
- 2014/7
- 取材を行いました。
森林未来都市への道
JR下川駅跡地は
バスターミナルと広場へ下川町は北海道北部に位置し、町の面積64,420haのうち森林が88%を占める、自然豊かな町である。2014年に開催されたソチオリンピックで大活躍した、葛西紀明選手や伊東大貴選手をはじめとする、多くのアスリートを輩出している町としても知られている。かつてこの地にあった鉱山からは金、銅が採れ、農業、林業とともに鉱業の町としても栄えた。しかし、時代の変化とともに鉱山の休山や林産業の衰退、町に乗り入れていたJR名寄本線が廃線となるなど、多くの出来事が重なり人口が急速に減少。1980年には人口減少率が全国4位になるなど、過疎が深刻化した。
そのような背景の中、下川町では古くから活用されてきた豊かな森林資源を改めて見直し、その森林資源をまちづくりの基盤とした「森林未来都市」を目指した取り組みを進めることで、新たな活路を見出していくこととなった。
循環型森林経営の構築
広大な森林は下川町の財産
下川町は、1953年に国有林1,221haを取得した。当時の町の財政規模約1億円に対し、購入金額は8,800万円。町の基本財産の造成と雇用の確保を目的とした大きな投資であった。その後、1994年~2003年にかけてさらに1,902haの国有林を取得。国有林の取得を機に積極的な植林を進め、現在では町有林の面積が4,605haにまで拡大した。継続的な森林管理を行うとともに、毎年約50haの植林を実行することで、伐採、植林、育成、そして伐採と、循環型森林経営の構築を実現。この仕組みにより、雇用の確保と安定的な林産物の生産が可能となった。
2003年には、全町有林が「FSC森林管理認証」を北海道で初めて取得した。「FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)」とは、森林の管理、その森林から生産される木材、枝葉などの加工、そして流通のプロセスを認証する国際機関のことで、厳しい基準を満たす木材管理と、そこから生産される木材などが適切に利用されていることを意味する。町内では住宅建材や家具、割り箸など様々なFSC認証製品が製造されており、消費者がFSCマークのついた製品を積極的に利用することで、森林環境の保全へとつながっていく。
バイオマスエネルギーの活用
地域熱供給システム内
木質燃料サイロ
森林管理の過程で生まれる豊富な森林資源は、あますことなくカスケード利用される。一本の原木はまず、円柱、集成材、木炭に加工される。その後、用途に応じ加工、処理を重ねていく。資材としての利用だけでなく、例えば、枝はクリスマスツリーや門松に、葉はエッセンシャルオイルや化粧水に利用されるなど、ゼロエミッションを徹底追求している。
そして、森林資源を大いに活用した取り組みとして注目を集めているのが、林地残材などを使った木質バイオマスエネルギー利用だ。
積雪寒冷地である下川町では、暖房に使用する化石燃料の依存度が全国でも高く、CO2排出量の多さも課題の一つとなっている。そうした中、2004年に北海道の公共温泉で初となる木質バイオマスボイラーを「五味温泉」に導入した。
以後、幼児センター、森林組合の集成材工場、農業施設などにも導入され、現在町内では6基の木質バイオマスボイラーが稼働している。また、町役場周辺の4施設(役場庁舎、消防、公民館、総合福祉センター)では、一つの木質バイオマスボイラー(1,200kW)で地域の暖房を補う「地域熱供給システム」が稼働。これまで各施設に設置されていた重油ボイラーからの転換を図り、CO2の削減に貢献している。