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埼玉県さいたま市

人口1,261,098人※2014年12月1日現在
面積217.49km²
市HPhttp://www.city.saitama.jp/
備考 次世代自動車・スマートエネルギー特区
(2011年指定)

さいたま市ニューストピックス

2015/2/2
本編を公開いたしました。
2014/12
取材を行いました。

KIZUNAを紡ぎ 世界に誇れるまちをつくる

埼玉県の県庁所在地、さいたま市。2001年5月に浦和市、大宮市、与野市の3市が合併し誕生した。2003年には9つの行政区が発足し、全国で13番目の政令指定都市となり、2005年、岩槻市が編入合併され、現在の市域となった。
人口126万人を擁する大都市として発展を遂げ、多くの人々や企業から「暮らしたいまち」「事業拠点をおきたいまち」としてさいたま市が選ばれてきた背景には、地震や風水害が少ないなど、安心・安全で快適・便利なまちとして評価されてきた歴史がある。
しかし、全国的に直面している人口減少や超高齢化社会、都市の低炭素化などの課題にさいたま市もまた直面していた。そんな中、市では、「暮らしやすく、活力のある都市として、継続的に成長する『環境未来都市』」を理想像に掲げ、市民にとって「住み続けたいまち」、市内の産業、経済が活性化した「活力のあるまち」、そして、環境面での持続可能な「低炭素なまち」を同時に実現するため、幅広い取り組みを展開している。

E-KIZUNA Project始動

様々な取り組みの中でも特に活発な動きを見せているのが、交通分野での取り組みだ。
2007年度の市のCO2排出量を見てみると、全体の約3割を運輸部門が占め、そのうちの7割弱が乗用車からの排出であった。そのことから、市では自家用乗用車からの排出量削減に向けた取り組みを本格化させた。こうして2009年から始まったのがEV(電気自動車)普及のための課題解決型プロジェクト「E-KIZUNA Project」である。このプロジェクトでは、EV普及にあたっての3つの課題を解決し、持続可能な低炭素社会の実現を図ることを目的としており、企業6社との協定を締結し、官民協働で推進している。市長が大事にしている「絆」という言葉をプロジェクト名に盛り込み、EV普及を通して生まれる「絆」を紡いでいく。

【3つの課題】【基本方針】
1.一回の充電での走行可能距離が短い1.充電セーフティネットの構築
2.ガソリン車と比べ車両価格が高い2.需要創出とインセンティブの付与
3.一般の消費者にあまり知られていない3.地域密着型の啓発活動

一つ目の「充電セーフティネットの構築」では、公共施設などへの充電設備の設置や、充電設備設置に対する補助制度を創設。急速充電器、普通充電器合わせて市内に100基以上が設置されている。そして、広域的な都市間ネットワークの構築へ向けたサミットも2010年から毎年開催。「E-KIZUNAネットワーク」として市内のみならず東日本全体へ、そして東日本から全国へのEVネットワーク構築を目指している。
二つ目の「需要創出とインセンティブの付与」では、公用車へのEV導入を積極的に行い、市の所有台数が日本最大規模の60台を超えるまでとなった。また、EV導入に対する補助制度も創設、EV、PHV(プラグインハイブリッド自動車)合わせて年間130台が補助制度を利用し購入されている。また、さいたま市役所前には、EVタクシー専用乗り場を設置。利用客数や普及状況をみて、今後市内各地への設置も検討していく方針だ。
そして三つ目の「地域密着型の啓発活動」では、イベントや試乗会、さらには小学校でのEV教室も開催し、積極的なアプローチを試みている。


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HONDA製の
超小型モビリティ
「MC-β」
「E-KIZUNA Project」では、さらなる交通の低炭素化、そして高齢者・子育て世代の移動支援を目的とした超小型モビリティの導入促進事業も行っている。この事業は、株式会社本田技術研究所、本田技研工業株式会社、そしてさいたま市の3者からなる「さいたま市小型電動モビリティ利活用推進協議会」が主体となり推進。HONDA製の超小型モビリティ「MC-β」を活用し、様々な社会実験が行われている。2014年10月からの2ヶ月間は、重点地区に位置づけられた大宮駅周辺でのカーシェアリング実証実験が行われ、延べ591人が参加。2015年2月には、超小型モビリティで各所を巡り、岩槻ねぎ堀り体験や岩槻ねぎ料理の食事券が付いた、地域の魅力を実体験するモニターツアーも実施予定だ。多種多様な取り組みを通して、低炭素化のみならず、地域内の回遊性の向上や高齢者の外出機会の増大、観光振興などのあらゆる可能性も模索していく。


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公用車として
使用している
水素燃料電池車
交通分野ではもう一つ特筆すべき実績がある。2005年度から始まった市の公用車の次世代自動車への移行だ。ここでの次世代自動車とは、電気、天然ガス、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、水素燃料電池自動車のことを指し、毎年移行を重ねてきた。そして、2013年度に当初の目標通り、特別な用途等の車両を除いた、保有自動車523台の次世代自動車率100%を達成した。2011年の東日本大震災時には、東日本で一時的なガソリン不足が叫ばれた中、全国で最初のCNG車普及促進モデル地域として、すでに多くの公用車に天然ガス自動車を使用していたため、滞りなく公務が行えたことなど、かねてから推進してきた“エネルギーの分散化”が功を奏した。

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