人口 | 27,163人※2012年11月末現在 |
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面積 | 162.90km² |
市HP | http://www.city.minamata.lg.jp/ |
備考 | 環境モデル都市(2008年認定) 環境市場新聞31号掲載 |
水俣病の教訓を活かした環境学習
環境学習の拠点 水俣病資料館そして、もう一つの注目すべき取り組みは、環境学習の推進。水俣病の教訓を活かし、子どもたちだけでなく、大人や外国人向けの学習プランも充実している。 かつて水俣病の被害に苦しんだ水俣湾を埋め立ててつくられたエコパーク水俣の敷地周辺には、市、県、国の環境施設が集められ、中でも市が運営する水俣病資料館には、国内外から数多くの人々がやってくる。熊本県内の小学5年生は環境学習で必ずここを訪れる。資料館内では、水俣病の歴史を事細かに知ることができ、団体客の訪問時には、水俣病患者の生の声が聞ける語り部講話も催される。水俣病を通した環境学習である。
日本の環境首都として
水俣市はこれまで「日本の環境首都コンテスト」(主催:NPO法人環境市民、2001~2010年度まで開催)で、計5回の総合1位を獲得している。2010年度には、コンテストで設定されたすべての項目で基準を満たし、全国初の「日本の環境首都」として認められるまでになった。
水俣がここまで評価されるようになったのは、水俣病にむしばまれた街で、「ないものねだり」をするのではなく、ゴミの高度分別などにみられる小規模な自治体ゆえに徹底できる施策や、公害を経験した街だからこそできる環境学習など「あるものさがし」を実行したこと、そして住民参加型の環境改革が成功したからだろう。
水俣は今、次々と新しいことに挑戦している。地産地消の活動では、取り組んだ分だけ利益を還元する仕組みも動き出している。環境活動をビジネスにつなげ、街を発展させたい考えだ。
水俣市の向こう4年間の目標は、「人が行きかい、ぬくもりと活力ある~環境モデル都市みなまた~」を実現すること。環境モデル都市として、日本の環境首都として水俣が進める新たな取り組みに今後も期待したい。
取材協力:水俣市 水俣病資料館 水俣市民の方々
記事公開日:2013年1月4日
記念すべき第一号としてうかがった水俣市。九州新幹線が開通してからは、アクセスも抜群によくなりました。取材を8月に行ったため、とても蒸し暑い天気でしたが、不知火海から吹く海風がとても心地よいものでした。一日中取材に協力していただいたり、電気自動車に乗り、様々な場所へ連れて行ってくれたりと水俣市の方々には、とてもお世話になりました。そして、現代史の教科書にでてきた「水俣病」を、水俣の地で改めて深く知ることができ、貴重な経験となりました。またいつか九州の風を感じに訪れたいと思います。
エコパーク水俣から臨む不知火海と九州山地