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佐賀県佐賀市

人口236,339人※2013年10月末日現在
面積431.42km²
市HPhttp://www.city.saga.lg.jp/

佐賀市ニューストピックス

2014/1/6
本編を公開いたしました。
2013/11
取材を行いました。

エネルギーと食に還元


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16台設置された
消化ガス発電機
市南部にある佐賀市下水浄化センターでも継続的に環境施策を行ってきた。その一つが、消化ガス発電の導入だ。消化ガス発電とは、下水の処理過程で発生する消化ガス(メタンガス)を燃料として発電を行うというもの。発電設備は400kW、生産された電気は同施設内で使用する電力の約42%を補っている。消化ガス発電の導入により、年間CO2排出量抑制効果は、約1,793トン、3,400万円の電気料金削減につながった。メタンガスは、二酸化炭素に比べ21倍の温室効果があるため、メタンガスを発電に有効利用することにより、地球温暖化防止にも大きく貢献することができる。将来的には、施設内の電力全てを自前で生産出来るよう、体制を整えていく。


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堆肥は10kg20円で提供
さらに、人々の生活で最も大事な要素の一つである「食」を「下水道事業」から創造するという新たな試みが行われている。国土交通省でも「BISTORO下水道」をキーワードに「下水道」と「食」の連携事業を支援している。中でも2009年度からスタートした下水処理汚泥の堆肥化事業は画期的だ。この事業では、これまで産業廃棄物として処分されていた下水汚泥を原料として、堆肥を製造する。「農家に良質の肥料を供給し、消費者に良質な農産物を提供したい」という理念のもと研究を続けてきた結果、2011年には堆肥の消費量が製造量を上回り、「宝の堆肥」と呼ばれるまでになった。堆肥は10kg20円という格安価格で販売されており、2012年度には、排出された脱水汚泥7,311t全量を堆肥化。運搬処分費用1億円の削減、運搬に伴うCO2排出量約500tを削減した。“農市”である佐賀市において、良質な堆肥の提供は、農業の支援につながり、それによりおいしい「食」を生み出し、産業発展にも寄与し、街に活力を生み出している。

清掃工場、下水浄化センターともに一般的には「迷惑施設」としての扱いを受けることが多いが、生活する上で必要不可欠な施設である。そんな中、バイオマスが集約されてくるという利点を最大限に生かし、「有効施設」として、新たな価値を生み出す両施設では、今後も資源循環の徹底を目指し、取り組みを発信していく。

市民とつくる環境都市


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環境フェスティバル
市民参加型の取り組みも積極的だ。活動組織「さが環境コラボ」は、市民、企業、行政によるネットワークづくりを目指し、2011年に設立された。“点”を“面”へと変えていくため、市内各所で環境活動を行う団体を集約し、連携を強化して、助け合える組織を目指す。さが環境コラボ参加団体による活動の発表の場ともなる「さが環境フェスティバル」も、2011年より開催され、2012年度には、13,000人が訪れ、活気あふれるイベントとなった。
その他、市最大のイベント「バルーンフェスタ」では、バルーンの燃料や競技用車両の走行などで排出されるCO2を、大会関係者やバルーンパイロットなどが、市公共施設に植樹を行い、カーボンオフセットを実施している。また、佐賀市の人口24万人に合わせ、「1人1本、みんなで24万本」をキャッチフレーズに市内の緑化も推進。2012度末に目標を達成している。

先進的な取り組みから、市民参加型の取り組みまで、幅広い環境活動を行っている佐賀市。「環境都市宣言」から3年がたち、環境先進都市としての勢いはますます加速していく。今後も佐賀市が元来持つ特性を活かしながら、“宣言”に相応しい取り組みを展開していく。

取材協力:佐賀市
一部写真提供:佐賀市
記事公開日:2014年1月6日

編集後記 街角にて

佐賀市南部にある東与賀干潟では、2015年夏に決定するラムサール条約湿地の登録を目指しています。取材を行った11月、東与賀海岸では、シチメンソウの紅葉がピークを迎え、たくさんの観光客で賑わっていました。かつて天皇、皇后両陛下もこの地を訪れ、ムツゴロウの稚魚を放流されたとのこと。来年の夏に注目です。

紅葉の見ごろを迎えた東与賀海岸のシチメンソウ

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