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竹村真一 著
新炭素革命 地球を救うウルトラ"C"
"地球温暖化の原因"の汚名を返上
地球温暖化問題の原因とされている温室効果ガス。代表格は人類の活動により排出される二酸化炭素だ。その排出削減活動を世界各国が推進しており、日本では「低炭素社会」というキャッチフレーズで省エネや再生可能エネルギーへの転換などが進められている
一見、悪者扱いされているような炭素に、本書ではスポットライトを当てる。そもそも炭素は、私たちの身体の基本構成物でもある。カーボン・ナノチューブや有機太陽電池など炭素の特性を活用した技術革新はすでに起きており『そう考えると「低炭素」社会というこれまでの言い方は、あまりに消極的だ。』(244ページ)と提言する。
植物は太陽エネルギーを使って二酸化炭素と水から、自らの身体や動物の食糧をつくる。光合成である。現代社会に欠かせない化石燃料も、もとをたどればそうしてつくられたもの。つまり植物が太陽エネルギーを炭素などの合成によってパッケージし、使い勝手のよい形にして蓄えてくれたのだ。
人類はそろそろ植物が与える恩恵ではなく、自分たちの手で活動に必要な物質を生み出すべきなのかもしれないと教えている。
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たけむらしんいち
1959年生まれ。京都造形芸術大学教授。Earth Literacy Program代表。東京大学大学院文化人類学博士課程修了。地球時代の新たな「人間学」を提起しつつ、ITを駆使した地球環境問題への独自な取組みを進める。世界初のデジタル地球儀「触れる地球」(2005年グッド デザイン賞・金賞、中型普及版は2013年キッズデザイン最優秀賞・内閣総理大臣賞を受賞)や「100万人のキャンドルナイト」、「Water」展 (2007年)、「コメ展」(2014年)などを企画・制作