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日本テクノ協力会・日電協の水戸グループでは、猫の語り口が特徴のオリジナル情報誌「でんでん・みと情報」を定期的に発行しており、環境市場新聞では毎号のダイジェスト版を掲載しています。最新号やバックナンバーは右のバナーからダウンロードできます。

日露戦争で連合艦隊の旗艦だった「三笠」

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 吾輩は電気管理技術者の親方たちに飼われている猫の〝でんでん〟である。この場所はいわゆる事務所、オフィスである。オフィスといえば通常、夜間は無人になる。よって、この場所に住まう吾輩は、ふだん夜間の警備も担当しているのである。
 だが、月に幾度となく、無人にならない夜がある。親方たちの誰かが、泊まり込むのだ。大抵は、突発的な電気事故の対応などで帰社が遅れ、そのままソファーに身を横たえるパターンである。
 その日、その長いすをベッドにしたのは、吾輩が寝言殿と呼んでいる親方だった。彼は、眠っている人間とは思えぬ明瞭な口ぶりで、寝言を披露する。
 寝言殿は先頃、横須賀にある記念艦「三笠」を見学してきたばかり。記念に買ったというその戦艦のプラモデルを抱えて、子どものような笑いを顔中にはり付けながら「かっこいいな、すごいでしょ」とほかの親方たちに自慢していた。
 吾輩は心地よい午睡には格別のこだわりがある。だが、夜間の睡眠にはそれほどの執着はない。だから内容までも予想できる寝言殿の寝言をなんとなく楽しみに待った。そして、期待は裏切られなかった。
 「三笠は1902年にイギリスで建造された戦艦であります。それを日本が購入し、日露戦争では連合艦隊の旗艦として、東郷平八郎司令長官が乗艦いたしました。1905年の日本海海戦においては、帝政ロシアのバルチック艦隊に対し圧倒的な勝利を導いたことも有名であります。最近ではテレビドラマ『坂の上の雲』で戦艦・三笠の戦闘シーンが描かれており、国民的関心も高まっているようであります」
 眠りながら滑らかに口を動かす寝言殿の面持ちは、かすかに緊張していた。そこはどんな場面なのか、吾輩はのぞいてみたいと思った。
 寝言殿の机の上にはつくりかけの模型が置かれている。