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全国的な環境意識の高まりの中で、教育分野においても幼少期からの継続的な環境教育の重要性が注目されています。「日本の環境教育」では、全国各地の環境教育授業の様子をレポートします。地域の特色を活かし地元住民と協力しながら進める授業や、企業が出張して行う出前授業などユニークな取り組みを紹介します。


生ごみワーストワン脱出大作戦 横浜市立永田台小学校

生ごみワーストワン脱出大作戦

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  横浜市南区の横浜市立永田台小学校は、周囲を団地に囲まれた高台に建つ、全校児童489名の学校。2010年に横浜市で初となるユネスコスクールの加盟校となり、ESD(持続可能な開発のための教育)に基づく環境教育に力を入れてきた。

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 永田台小学校の個別支援学級には1〜6年生まで年齢の異なる19名の児童が通っている。ここでは昨年1年間を通してごみの削減をテーマにした環境教育に取り組んできた。
 2011年に横浜市が公表した資料によると、当時、南区は横浜市の中でも1人当たりの燃やすごみの排出量が最も多い地域だった。こうした事実を市の広報誌を通して知った担当教諭の久保田れい子さんは、その内容を児童に伝えた。すると児童から「ワーストワンは嫌だ」「ごみを減らしたい」などたくさんの意見が出てきた。

生徒の写真
授業の様子。学習発表会に向けて紙芝居の練習中。

 そこで同学級では、「生ごみワーストワン脱出大作戦」と題して、学校の図書館や市の資料を使って、ごみの実態について調べ学習を行った。調べてみると、横浜市の家庭から1年間に出されるごみの量は資源も含めて約93万トン。そのうち約4割は台所などから出される生ごみ。さらに、生ごみの約8割は水分が占めている。また一方で、南区の住民1人ひとりが1日に6㌘(水に換算するとスプーンに約1杯分)のごみを減らせば、ワーストワンから抜け出せるとわかった。
 そこで子どもたちは、ほかのクラスや地域の人々に協力をあおぎ、ごみ削減のアイデアを集めるアンケートを実施。集まったさまざまなアイデアの効果検証を行った。まず試したのが、麦茶パックの水切り実験。水を絞らないで捨てるのと、絞ってから捨てるのではパック1個で約20㌘も違いがあった。またじゃがいもの皮むき実験では、包丁を使ってむいた皮は50㌘、ピーラーだと20㌘、一度茹でてからむくと8㌘の皮が出て、調理の仕方ひとつでごみの量に大きな違いが出ることを知った。
 市の資源循環局の職員を招いた出張授業では、生ごみを土とまぜて分解する「土壌混合法」について学び、地域の家々で実際に使われているコンポストも見学。各自が家庭から生ごみを持ち寄り、作業を体験した。

「一番悪いのは嫌だ」の声で始動

ダイヤマーク学習成果を地域に還元
 教諭の久保田さんは、「生ごみワーストワン脱出大作戦は、子どもたちの"一番悪いのは嫌だ!"という声から始まりました。授業のテーマはこうした日常生活の中から生まれるつぶやきを大切にしています。子どもたちの興味を、さらに掘り下げることで、やる気や意欲が高まり、行動範囲を広げるきっかけにもなっています」と話す。
 また学習した内容は、地域の交流センターなどで発表し、集まった地域の人々とともにごみの水切り実験を行った。周囲のさまざまな協力によって得られた学習の成果を、校内だけでなく地域に還元していく。
 同学級では新たな取り組みとして、「グリーン・クリーンアースレンジャー」を開始した。これまで7年間にわたり学校全体で取り組んできたグリーンカーテンの活動を深掘りし、あらためてグリーンカーテンの役割や地球環境とのかかわりを学習していく。
 今後は、周辺住民にゴーヤの種を配布するなど、地域をあげてグリーンカーテンの活動を定着させていきたい考えだ。自分たちの活動が地域環境の改善に役立っている、という思いが児童の喜びや自信にもつながっていく。

生徒の写真
地域の人々とともに、ペットボトルの口やCDを使って、ごみの水切り実験を行った。
こぼれ話

永田台小学校では、グリーンカーテンの役割をたくさんの方に知っていただくために、演劇を考えて地域住民の方々に発表しています。写真は体育館での練習の様子。 舞台のうしろに飾られている大きな壁紙は、グリーンカーテンを育てる児童の様子をイラストにしたもので、子どもたちは自分の体を型紙がわりにして、それぞれ等身大のイラストを描いています。 前年は「生ごみワーストワン脱出大作戦」の様子を、同じく壁紙にしたそうですが、等身大で制作しているため個々の1年間の身長の伸びがそのままイラストにも表れています。活動の記録になるとともに、一人ひとりの児童にとっては、まさに成長の証!うれしい記念ですね。小さい頃に家の柱につけた背丈のマークを思い出します。

学園へ続く道

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