ゴミは思い出と共に
トートバッグで持ち帰る
株式会社 スーパープランニングは「モノ・コトづくりを通じて世界に感動を広げよう」との経営理念のもと1978年にグラフィックデザインの事務所として創業した。
1980年代からさまざまなオリジナル雑貨を手掛ける中でグラフィックデザインの力を最大限に発揮できるトートバッグに着目し、2001年にトートバッグ専門ブランド「ルートート」を立ち上げた。素材や形などバリエーションは数千に及ぶが、全品に共通するのは、出し入れの多い小物を簡単に取り出すためのサイドポケット。カンガルーのお腹にあるポケットのようなので「ルーポケット」と呼び、そのトートバッグを「ルートート」と名づけた。ブランドのコンセプトは、"楽しいお出かけ"。デザイン性や機能性へのこだわりはもちろん、ブランド展開においては環境問題にも目を向けた。毎年、花見や屋外バーベキューのシーズンに指摘されるゴミの放置問題への対応だ。
ゴミ放置が過剰ならイベントの中止も余儀なくされる。しかし、「それでは"楽しいお出かけ"がなくなってしまう。私たちならではの解決方法として『ルー・ガービッジ』を企画したんです」と営業担当の村上記克さんは話す。
市販のポリ袋を内側に取り付けて使用する。手軽に持ち運べるトートバッグ型ゴミ箱。屋内外問わず使える。750円(税別)〜
ルー・ガービッジは、"ゴミは思い出と共に持ち帰ろう"という思いから生まれた、屋内外で使用可能なトートバッグ型ダストボックスだ。市販のポリ袋を内部に取り付け、そこにゴミを入れスマートに持ち帰る。2012年の発売以来、アウトドア活動などで使用する個別購入のほか、自治体やNPO団体が企画するゴミ拾い活動の場で使用されるようになった。
同社でも「広域代官山エリアSAKURAクリーン作戦」というイベントを自ら運営する。花見スポットが多く、自社のオフィスや店舗が集中する代官山を地域ぐるみできれいにしようとする活動だ。ここで使うルー・ガービッジには桜柄を採用し、イベントに賛同したカフェやレストランなどで販売する。参加者はルー・ガービッジを購入、収集したゴミをゴミステーションに持ち寄るとオリジナルバッジがもらえる。2015年の参加者は31名、賛同企業および店舗は15カ所だった。
こうしたイベントにはそのエリアの拠点からスタッフも参加し、地域とのかかわりを大切にする。「私たちだけでゴミ拾いをしても、環境への意識は広がりません。地域のお店や学校、NPOや住民の皆さんと一緒に取り組んでいけたら」と村上さん。同社は今後も、モノとコト、トートバッグとイベントを通して、人々のライフスタイルの充実や社会貢献を図っていく。
「SAKURAクリーン作戦」に参加した國學院大學の学生たち