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沖縄県宮古島市

人口55,003人※2013年10月31日現在
面積204.59km²
市HPhttp://www.city.miyakojima.lg.jp/
備考環境モデル都市(2009年選定)

宮古島市ニューストピックス

2013/12/16
本編を公開いたしました。
2013/10
取材を行いました。

地元企業の取り組み


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メタン発酵施設外観
宮古島市次世代エネルギーパークには、多くの民間企業施設も名を連ねている。
本場泡盛を製造する株式会社多良川では、農林水産省の平成21年度地域バイオマス利活用交付金を受けた事業をスタートさせた。泡盛製造過程で排出される最大6t/日の泡盛蒸留粕を同工場内のメタン発酵槽施設へポンプで輸送し、バイオガスを発生させる。そして、そのバイオガスで蒸気を製造し、工場の泡盛蒸留工程や洗瓶工程の際に利用するというものだ。
この取り組みにより、1日当たり約340N㎥(CH4濃度:60%換算)のガス回収が可能となり、重油年間約23.7kl、CO2約64tの削減につながった。
また、メタン発酵後の水処理脱水汚泥は、肥料として農地へ還元しており、農業の振興にも寄与する循環サイクルが確立されている。上質な泡盛製造を陰で支える、画期的な取り組みである。


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沖縄製糖株式会社
宮古工場外観
宮古島市の基幹作物であるサトウキビを扱う、沖縄製糖株式会社宮古工場。この製糖工場では、「バガス」を利用した発電機を導入し、循環型設備改善を行っている。バガスとは、サトウキビの絞り粕の名称で、製品化の過程で行われる圧搾時に発生する。そのバガスを蒸気タービン発電機(設備能力2,600kWh)のボイラー燃料として使用し、発電を行うことで、製糖操業期の工場内のほとんどの電気を賄っている。さらに余剰バガスは、ボイラーから排出される集塵灰、糖汁製造の際に使用される沈殿槽での濾過後に残る「ケーキ」と呼ばれる残さ物と混合し、良質な堆肥として再び畑へと還っていく。生産される堆肥は、年間およそ2万t。格安で農家に提供され、農業支援にもつながっている。
C4植物と呼ばれ、米や麦と比べCO2の浄化作用が2倍で、砂糖と糖蜜を除いた全てが畑に還るサトウキビの生産は、「循環型産業」として、宮古島の環境、そして経済までも支える役割を果たしている。
今後、TPP問題により多大な影響が予想されるサトウキビの生産だが、バイオエタノールの精製など、サトウキビが持つあらゆる可能性を模索し、宮古島を代表する作物として、生産力、技術力をより一層高めていく。


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年間約690万kWhを発電する
狩俣風力発電所
離島県である沖縄県のさらに離島に位置する宮古島市。長らく食料やエネルギー資源を島外に依存してきたが、独立したエネルギー網を確立するためには、地産地消による資源循環が必要だ。その課題を解決するため、上記取り組みの他にも、住宅用太陽光設置補助、メガソーラー・風力発電の運用、エネルギーマネジメントシステムを使った「見える化」の試験導入など数々の施策が行われ、ステップアップ・ボトムアップを図ってきた。今後も市民の生活を第一優先に考え、我慢をさせない取り組み、住民が得をできる取り組みを行うことで、官民一体となり“エコアイランド”構想の実現に近づいていく。

取材協力:宮古島市、株式会社多良川、沖縄製糖株式会社宮古工場
記事公開日:2013年12月16日

編集後記 街角にて

ニッポン 環境都市探訪史上、最南端の都市となった沖縄県宮古島市。台風が接近する中での取材だったため、天候には恵まれませんでした。それでも沖縄の独特の雰囲気を体感し、リフレッシュしながら取材することができました。環境と観光が両立した”エコアイランド”として、今後の展開がとても楽しみな宮古島でした。

前浜ビーチから見た来間島

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