【今回の訪問先】
株式会社とりせん
今回、日本テクノイメージキャラクター・河村隆一さんが訪れたエコスポットはスーパーマーケットの店舗とその本社。ここが〝エコ〞な理由はリサイクルをはじめとする環境活動に大きな力を注いでいるから。群馬県など北関東中心に60店舗(2018年12 月末現在)を展開する株式会社とりせん(本社・群馬県館林市)は、廃棄物のリサイクル率7割超を達成し、自社内に再生処理の機械設備を揃える企業だった。
再資源化のストーリーを明確にする
「分別を徹底しリサイクルするのは大切です。でも私たちは分別後に、それがどう再資源化されるか、ストーリーを明確にしたい」と話すのは代表取締役社長の前原宏之さん。だから最新型の発泡スチロール減容機や専門業者が備えるような古紙プレス機などがある「資源化センター」を本社内に設置し、各店舗からの排出物を集約して処理するようにした。これで再資源化の最終処理業者に直接持ち込める。「資源循環ストーリーの深い部分まで〝見える化〞できますね」と河村さんがうなずく。
※画像をクリックすると大きなサイズで見られます。自分たちの出すゴミも最小限に
最初に訪れたのは昨年オープンの「蔵の街店」。まずスーパーマーケット建物に併設されたリサイクルステーションへ。ここは来店客が持ち寄る使用済み段ボールなど再生資源の回収場所。持ち込む品目と量に応じ買い物に使えるポイントが貯まるシステムだ。そこから店内を通りバックヤードに入ると通路に面したところにダストスペースがあった。包装フィルム、雑紙、PPバンドなど細分化された回収箱がある。どこに何を入れるか一目でわかる説明プレートの中にかわいらしいイラストが添えられている。河村さんの頬が緩む。
※画像をクリックすると大きなサイズで見られます。商品を梱包していた段ボールや発泡スチロール、惣菜などをつくるときに出る生ごみや食用廃油といった店舗から出る排出物は、できる限り分別してリサイクルしているそうです。写真は蔵の街店のバックヤードにあるダストスペース。それぞれの容器には誰でもわかるように説明書きのある分別名のプレートがつけられていました。
専門業者並みの処理施設
次に向かったのは60店舗を統括する本社。ここには前述の「資源化センター」がある。発泡スチロール、段ボール、アルミ缶などが専用工場のように機械にかけられ、圧縮梱包されていく。この施設は、回収活動などに協力してくれる利用客の声や社員の意識の高まりに応えるべく拡充されていった場所。これを目にした河村さんは言った。「本気の環境活動ですね。しかもお客さんがそれを支えている。こういう取り組みをもっと広めていきたいですね」
※画像をクリックすると大きなサイズで見られます。ここは本社敷地内にある「資源化センター」の一角。群馬、栃木、茨城、埼玉にある60 店舗がそれぞれ分別した排出物のうちの大部分をここに運び、自社で再資源化を進めています。発泡スチロールを減容機にかけ再生原料にする作業が見えていますが、この機械は1999年に導入したものを最近、最新型に入れ替えたそうです。 また、古紙を圧縮して再生紙原料にプレスする機械もあります。店舗から排出された大量の段ボールやお客様から回収した牛乳パックを再生利用するために必要な設備。ここから出荷されるものは、古紙問屋などを仲介せず、直接製紙会社へ搬入。これなら再生までのルートも「見える化」できます。
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