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気軽に「環境」を学べる、全国各地のさまざまな「体験型施設」を紹介していきます。
京エコロジーセンター@京都府京都市

「豊かさ」を問い直す場の提供

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 京エコロジーセンターは、地球温暖化防止京都会議(COP3)の開催を記念して、2002年に設立された。持続可能な地域社会を築くため、さまざまな環境学習を実施するほか、環境活動を担う人材育成の場、その活動を支援し情報発信する場としても広く利用されている。

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 入館してすぐ目につくのは、急激に上昇する折れ線グラフをデザインしたタペストリー。地球の気温変化をイメージしたものだ。そして、その先のグラフをつくるのは私たち。地球環境を守るにはどうすればよいか、館内を巡り考えようというメッセージに思えた。
 施設は3階建て。1階には、今地球で起きている環境問題を紹介する展示物や、自宅に見立てたエコロジーハウスで生活の場面に応じた省エネ手法を紹介するコーナーなどがある。2階は企画展コーナー、3階は環境図書コーナー。そして屋上には畑や田んぼ、ビオトープが設置されている。

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 ここでは参加型の環境イベントを多数開催しているが、中でも好評なのが「えこそらキッズ」という全14回の通年プログラムだ。施設屋上の田畑やビオトープで、作物育成、生物観察などを体験し、親子で自然との共生を学ぶことができる。5月の初回はきゅうりやトマトなどの野菜を植え、夏には収穫する予定だ。
 旬の食材を食べる利点は、栄養価の高さや味のよさだけではなく、環境保全にも役立つこと。例えば、夏が旬のトマトを冬に栽培すると、ビニールハウスで人工的に暖める必要があるため、夏に比べ約10倍ものエネルギーを使用する。子どもたちに野菜の栽培を通して、旬を意識してもらうのも環境学習になる。
 冬は調理体験もする。野菜の皮を汁物に入れたり、大根や人参の葉を漬物にするなど、簡単なエコクッキングを学ぶ。昨年参加した保護者からは「スーパーで子どもから旬の食材を選ぶよう注意された」「家庭菜園を行うきっかけになった」などの声が寄せられた。
 同センター課長補佐の多胡亮さんは「環境を守るため、便利で快適な暮らしを我慢するかどうかは人それぞれです。ですが家族と土に触れ、自然と共生する時間を体験し、それを心地よく楽しいと感じたらどうでしょう。豊かさとは何か、その価値観を考え直す場を提供し、それが最終的に環境保全につながればいい」と考えている。
 オーガニック食材の美味しさを知る体験、漆喰の壁でできた家を訪問し快適性を感じる企画などイベントは大人向けのものもある。そうした催しも直接的なエコ活動というより、最終的に「つながればいい」という意図があるのだろう。ならば少しの興味からでも参加はできそうだ。



みやこえころじーせんたー
施設名●京エコロジーセンター
住所●京都府京都市伏見区深草池ノ内町13
電話●075-641-0911
開館時間●9:00~21:00(1・2階展示は17:00 まで)
休館日●木曜日(祝日の場合は翌金曜日)、年末年始
入館料●無料
ウェブサイト●
http://www.miyako-eco.jp/

こぼれ話 こぼれ話

 京都府では、ごみの削減にも力を入れています。1階にはごみの量の変遷を展示しており、いかに多くのごみが排出されているのか実感することができます。昭和13年の戦前、1人10日あたりのごみの量は、わずか1.64kg、昭和36年には2.6kgでした。時代の変化に伴い、ものに溢れた生活を送るようになると、平成15年には10倍以上にあたる13.34kgまで膨れ上がりました。しかし、ごみ袋の中身を調査してみると、食品ロスやリサイクルできるものばかり。こうした現状を見直し、2000年に1日あたり650g/人のごみを出していたピーク時から、2010年には418gまで削減できました。今後も2020年に向けてさらなるごみの減量を目指しています。無駄なものは極力買わない、古くなったものは再利用法するなど、改めて地球環境について考えさせられる機会になりました。